裁判
慶北・清島郡に中国製の彫像20点を納品した自称「世界的な彫刻家」に賠償命令 大邱地裁
自身を「世界的な彫刻家」だと経歴を詐称し、慶尚北道清道郡に中国製の彫像20点を納品した自称彫刻家が、約3億ウォン(約3200万円)の損害賠償支払いを命じられた。大邱地裁は8月31日、清道郡がチェ・パオロ被告を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、チェ被告に対し、清道郡に2億9700万ウォンを賠償するよう命じる判決を言い渡した。
【写真】自称「世界的な彫刻家」チェ・パオロ被告が清道郡に設置した彫像
チェ被告は2022年11月、自身を「新安郡(全羅南道)の荷衣島に天使像美術館など最高の観光名所を作った彫刻家」だと偽って清道郡に接近。「フランスのパリ大学の名誉終身教授で、ロマンカトリック芸術院の正会員を務め、世界二十数カ国の美術館や聖堂に約200点の作品を設置した」と偽った。清道郡は2023年、チェ被告の言葉を信じ、新花郎風流村とセマウル運動発祥地記念公園に設置する作品20点を2億9700万ウォンで購入した。ところが、チェ被告の作品は中国の彫刻工場から輸入した中国製のものだった。
チェ被告の経歴も虚偽であることが分かった。チェ被告は小・中・高校を卒業しておらず、10代前半からソウル市内の鉄工所や木工所で働いていた。20代から40代までは詐欺罪などで何度も服役し、収監中に高卒認定試験を受けて高校卒業の学歴を取得した。フランス・パリ第7大学の名誉教授として在職していたという時期に、実際には青松刑務所(現・慶尚北道北部刑務所)で服役していた。
チェ被告の詐欺犯罪はこれだけではなかった。2019年には全羅南道新安郡に接近し、荷衣島に318点の天使像を設置して19億ウォンを手にしていた。この彫像もフィリピンと中国の工場から輸入したものだったことが分かった。
大邱地裁は今年2月、詐欺などの罪で起訴されたチェ被告に懲役2年6カ月、執行猶予4年を言い渡した。現在は大邱高裁で控訴審(二審)が行われている。
清島=イ・スンギュ記者