国際総合
立てた! 歩けた! 先天的な脊椎の奇形、矯正手術に成功した22歳男性が話題に /中国・山東省
脊椎が深く曲がって腰が折りたたまれる形になり「折りたたみ少年」と呼ばれていた中国の男性が、矯正手術を受け、真っすぐ立って歩けるようになったことが分かった。
香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が8月25日、報じた。それによると、この男性は中国東部・山東省の小さな村で生まれたチャンさん(22)。2年間にわたって矯正手術とリハビリ治療を受けてきた。手術は、チャンさんの腰椎、首、臀部、胸部の骨を折って並べ直すという形で進められた。
【写真】脊椎の奇形だったチャンさんの手術前と手術後の姿
チャンさんは先天的な脊椎の奇形でずっと苦しんでいたという。体に力を入れて真っすぐ立とうとすると身長120センチくらいになるが、力を入れずに自然に立った状態の身長は80センチだった。しかし、成長期には医療支援が十分でなく、適切な治療を受けられなかった。
チャンさんは学校の授業やテストのとき、膝をつくか腹ばいになるほかなかった。しかしチャンさんはそのような状況でも明るく振る舞い、熱心に勉強しようと頑張ったという。2022年には故郷にある大学に入学し、エネルギー・電子工学を専攻した。
チャンさんの母親のウィ・メイインさんは、息子を全面的に支援するために学校の教員の仕事を辞めた。ウィさんが息子の動画をネット上に投稿すると、これを見た有名な整形外科専門医らが関心を示し、治療を受けられるようになったという。
医療陣が検査を行ったところ、チャンさんの脊椎は筋肉の支えがない状態だということが分かった。その後、脊椎奇形治療の権威であるリャン・イジェン教授がチャンさんの治療を始めた。チャンさんは今年6月に最後の手術を受け、現時点で予後は良好だという。
チャンさんは最後の手術を受けて以降、ベッドに真っすぐ寝られるようになったという。また、心肺機能も正常に戻ったとのことだ。医療陣はこれを「世界初の180度脊椎整形外科手術が成功」と発表した。
チャンさんは最後の手術の後、SNS(交流サイト)のライブ配信で、自分を応援してくれた人々に姿を見せた。配信では、初めてまともに歩けるようになった自身の姿も公開した。
チャンさんは「自分自身が少し平凡になったと感じる瞬間、全ての苦しみが価値あるものだったと思える」「生まれ変わった気分」と話した。チャンさんは大学入試の際も膝をついて腹ばいになって受験したが、大学院の試験は立って受けたいと話した。
これに対し、ネットでは「彼がどれだけ大きな苦しみを味わってきたか、想像もできないけど、これから彼には明るい未来が待っている」「魔法のような治療だった。いつも曲がった状態で立っていた少年が、再び立ち上がった」とチャンさんを祝福するコメントが相次いだ。
キム・ガヨン記者