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今年1月にブタの腎臓を移植した米男性(67)が6カ月以上生存…最長寿記録を更新
ブタの腎臓の移植を受けた米国人男性ティム・アンドリュースさん(67)が、移植から6カ月以上生存し、ブタの臓器移植を受けた患者の最長寿記録を更新した。これまでの記録は4カ月だった。
【写真】ティム・アンドリュースさん(67)が退院する様子
アンドリュースさんは透析治療を受けても効果が出ない末期の腎不全だったが、今年1月に遺伝子改変ブタの腎臓の移植手術を受けた。まず、ブタの腎臓からヒトが拒絶反応を引き起こす抗原3種類を除去した上、ヒトの遺伝子を7種類追加する遺伝子編集を実施した。手術後の炎症や出血、合併症のリスクを軽減するためだ。アンドリュースさんは移植手術を受けた後、ずっと透析をせずに過ごしてきた。英科学誌ネイチャーは「6カ月を超えたので合併症の確率は大幅に低下した」と指摘した。
ブタの臓器移植は以前から活発に行われている。米食品医薬品局(FDA)は今年初め、バイオテクノロジー企業ユナイテッド・セラピューティクスが進めている遺伝子改変ブタの腎臓をヒトに移植する治験の実施を承認した。アンドリュースさんに遺伝子改変ブタの腎臓を提供した米国のバイオテクノロジー企業イージェネシスも、50歳以上の末期腎不全患者最大33人を対象にブタの腎臓移植の治験を開始した。
ソン・ヘジン記者