▲写真=UTOIMAGE

 台湾で一部芸能人がソーシャルメディアに中国の「抗日戦争勝利80周年」を祝う投稿を行い、「親中芸能人」論争が再燃している。

【写真】台湾の女優・舒淇(49)と俳優・呉慷仁(43)…抗日戦争勝利記念日を祝った芸能人のリストも

 国営の中国中央テレビ(CCTV)が3日に行われた記念式典について伝え、ソーシャルメディアの微博(ウェイボー)に「共に歴史を記憶し、偉大な勝利から偉大な復興へと進もう」などという投稿を行うと、中国で活動する台湾の芸能人十数人がそれをシェアしたのだ。中華圏の著名女優である台湾出身の舒淇(49)は「英雄の精神は不滅で平和は永遠だ」とし、「台湾のエミー賞」と呼ばれる「金鐘奨」の主演男優賞を受賞した俳優呉慷仁(43)は「歴史を記憶し先烈を追慕し、平和を大切にして未来を切り開こう」と書き込んだ。

 台湾の対中政策機関である大陸委員会は8月29日、「今後親中宣伝活動を展開する芸能人に罰金など法的制裁を加える」と表明したばかりで、台湾社会で大きな論議が呼んだ。大陸委は今年5月から親中宣伝活動を活発に行ってきた芸能人23人について、法規違反の有無を調査してきた。芸能人の親中発言を処罰するか否かを初めて審査した大陸委は「今回は見送るが、今後そういう事態が起きれば、最高50万台湾元(約242万円)の罰金など法的制裁を加える」と発表した。同時に「調査対象者の多くが『所属事務所が代わりにアカウントを管理した』『規定違反だとは知らなかった』などと主張した」とし、「そうした釈明にもかかわらず、当該行為は客観的に中国共産党に協力したと見なされ得る」と指摘した。

 逆に中国では抗日戦争勝利80周年を祝わなかった台湾の芸能人に対する非難が殺到した。中国のウェブサイトでは、中国のネットユーザーが作成した台湾芸能人75人のリストが拡散した。CCTVのコンテンツをシェアしたかどうかを基準に緑(シェア)と赤(未シェア)に分類したリストだった。同投稿には「二股をかける日和見主義者が多すぎる」「祝賀投稿を行わないならば、中国で宣伝もするな」といった非難コメントが相次いだ。

台北=リュ・ジェミン特派員

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