▲イラスト=UTOIMAGE

 イラン当局が今年初めからこれまでに少なくとも1000件の死刑を執行した、とする人権団体の主張が提起された。

 「フランス24」が23日(現地時間)に報じたところによると、「イラン・ヒューマンライツ」(IHR)はこの日発表した報告書で、今年に入って1000人以上が絞首刑に処され、先週だけでも少なくとも64人が執行されたとして「これは1日平均9件以上の絞首刑が行われたことを意味する」と主張した。イランは絞首刑で死刑を執行する。

【写真】首切り処刑のパロディー 不謹慎すぎるアフガニスタン観光PR動画

 IHRは2008年から年度別にイラン国内の死刑の集計を発表し始めた。死刑執行1000件は、集計を始めて以来最多の数値で、既に昨年の死刑執行件数(975件)を超えた。これまでの最多記録は2015年の977件だった。

 これについて、国連人権高等弁務官事務所は「衝撃的な規模」だとして深い懸念を表した。

 今年に入って絞首刑に処された死刑囚の罪状を分析すると、50%が麻薬関連の犯罪で、43%が殺人だった。さらに3%が安全保障関連の犯罪、3%は婦女暴行、1%はイスラエルに取り込まれたスパイ行為となっていた。

 この中には、スパイ行為の罪で死刑にされた10人が含まれている。イランは今年6月、自国の核施設を爆撃したイスラエルと12日間にわたり武力衝突を繰り広げた後、イスラエルに協力する国内のスパイを大々的に摘発し、相次いで死刑に処している。

 IHRは、把握された死刑執行1000件のうち公式発表されたものは11%に過ぎず、いまだに把握されていないケースを考慮すると実際の件数はさらに多いだろうと指摘した。

 IHRは「イランはここ数カ月間、刑務所で大量殺人を行い始め、国際社会の真剣な対応がない中、その規模は日ごとに拡大している」とし「死刑が政治的弾圧の道具として悪用されている」と主張した。

 国際人権団体の「アムネスティ・インターナショナル」も「イランの死刑執行が恐るべき水準に達している」とし「政治的動機で起訴されて不公正な裁判を受けた数十人が、現在も処刑の危険にさらされている」と訴えた。

キム・ジャア記者

ホーム TOP