内乱事件を捜査する特別検察官チームが行った在韓米軍烏山基地(京畿道平沢市)の家宅捜索について、在韓米軍が「在韓米軍地位協定(SOFA)違反」として韓国政府に正式に抗議したことが16日までに分かった。特別検察官チームが家宅捜索を行った韓国空軍防空管制司令部第1中央防空統制所(MCRC)に立ち入るには米軍の管理区域を通過する必要があるが、これについて事前の協議がなかったという趣旨のようだ。

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 本紙の取材を総合すると、SOFA合同委員会の米軍側委員長を務める在韓米軍のデイビッド・アイバーソン副司令官(米空軍中将)は今月初めに韓国外交部(省に相当)に抗議書簡を送った。その内容は「特別検察チームが実施した家宅捜索への懸念を伝えるためにこの書簡をお送りする」「今回の事件でSOFAが順守されなかった理由について説明を求める」というものだった。

 特別検察官チームは平壌無人機作戦疑惑について調べるため、今年7月21日に烏山空軍基地内のMCRCを家宅捜索した。韓国防空識別区域の飛行物体に対して探知・統制・対応を行うMCRCは韓米両軍が使用する烏山基地の韓国航空宇宙作戦本部(KAOC)の建物内にあるが、特別検察チームは家宅捜索について在韓米軍に事前に通知しなかった。

 この問題と関連して米国のトランプ大統領は8日の韓米首脳会談直前、SNS(交流サイト)のトゥルース・ソーシャルに「韓国では粛正や革命が起こっているようだ」「米軍の軍事基地からは情報まで持っていったと聞いた。事実かどうかは分からないが、確認してみたい」と投稿した。これら一連の流れで在韓米軍が今月初めに正式に抗議書簡を送ったのだ。

 この問題については「同盟の現代化」が協議される来月の韓米軍事委員会(MCM)と韓米安保協議会議(SCM)を前に、米軍は交渉力を高める狙いで今回抗議したとの見方もある。ある韓国軍筋は「韓米がSOFAで口頭で話し合えばよい事案を米軍が文書で正式に問題提起した。米軍は特別検察チームが烏山基地の駐車場を使ったこともSOFA違反と解釈可能と言っている」と伝えた。

 これに対して朴志英(パク・チヨン)特別検察官補は同日「SOFAに違反しなかったことを改めて明確にする」とした上で「韓米間の覚書に従い、立ち入りを認める権限を持つ韓国軍から事前の承認を受け、立ち入り許可証の交付を受けた上で韓国軍の厳しい管理と引率により韓国軍が使用し管理する場所に入った。裁判所で発布された家宅捜索令状も提示した」と説明した。

ヤン・ジホ記者

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