▲カナダのLCCウエストジェット。/インスタグラム

 カナダの格安航空会社(LCC)ウエストジェットが、一部の航空便でコノミー席のリクライニング機能を有料化することを決め、物議を醸している。

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 ABCニュースなど海外メディアが16日、報じた。それによると、ウエストジェットは機内の座席を全面的にエコノミークラスに再構成し、背もたれを倒せない固定式シートを標準座席とする方針を明らかにした。今回の変更はボーイング737-8MAX、737-800など43機に順次適用される。

 ウエストジェット側は「搭乗客を対象にテストした結果、回答者の半数が、他の乗客によるスペースの侵害を避けるために固定式座席を好んだ」と説明した。さらに「リクライニング機能を望む場合は、改修された航空機の上位クラスのシート(エクステンデッド・コンフォートやプレミアムキャビン)であれば従来通りリクライニング機能を使用できる」とした。

 業界では、収益多角化に向けた「有料化」の拡大だとの分析が聞かれる。カナダのマギル大のジョン・グラデック教授(航空管理学)はCBCニュースに対し「航空会社は徐々に多くの付加サービスを有料化しており、収益を極大化している」として「エコノミークラスの標準機能だったリクライニングを有料化するのは、また別の階層を生み出す行為だ」と指摘した。

 ウエストジェットは現在、米国の19州をはじめ、プエルトリコ、ワシントンD.C.などに就航している。同社によると、座席を再構成した第1号機が今月末に運航を開始し、来年初めまでに42機の改修作業を終える予定だ。ウエストジェットは低価格を武器にカナダ国内の航空市場で第2位のシェアを誇っている。

 ただし財務状況は芳しくない。ウエストジェットは2024年末時点で資本総額がマイナス約2兆6000億ウォン(約2750億円)と債務超過の状態にあり、3年連続で赤字を計上している。

チョン・アイム記者

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