▲関税庁が公開した正規品のラブブと可塑剤が検出された偽物のラブブ。/聯合ニュース

 中国の光棍節(独身の日、11月11日)や米国のブラックフライデーなど、海外の大規模な割引セールを前に、韓国関税庁が海外通販サイトからの直接購入(個人輸入)による違法な輸入行為の特別取り締まりに乗り出す。

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 韓国関税庁は、今月10日から年末にかけての8週間、海外サイトからの直接購入の特別取り締まりを実施すると5日に発表した。韓国全土の34カ所の税関が参加する。今回の取り締まりは、個人輸入の制度を悪用した販売用物品の密輸、個人通関固有番号の盗用、Kブランドなど知的財産権を侵害した物品の輸入を集中的に点検する。

 現在、150米ドル(米国は200ドル)以下の個人使用の物品は、簡易な手続きで通関でき、関税と付加価値税(消費税に相当)が免除されている。しかし、これを悪用して販売目的で輸入したり、他人の通関固有番号を盗用したりするケースが増えていると関税庁は説明している。

 関税庁によると、今年9月までに摘発された個人輸入の悪用事件の規模は金額ベースで800億ウォン(約85億ウォン)に上り、前年同期(608億ウォン)に比べて32%増加した。このうち、販売目的の密輸などの関税法違反が563億ウォン、知的財産権侵害が218億ウォン、違法な食品・医薬品の密輸など保健関連の違反が19億ウォンだった。

 関税庁は電子商取引(EC)企業と協力し、有害な食品・医薬品、知的財産権を侵害した物品のオンラインでの流通をモニタリングし、違法な販売者に対しては、販売用プラットフォームの使用停止及び掲示物削除などの措置を取る予定だ。

 関税庁はこの日、上半期に韓国に搬入されたブランドコピー品などの「ニセモノ(知的財産侵害物品)」に対する集中取り締まりの結果も合わせて公表した。

 取り締まりでは計60万6443点が摘発され、このうち肌に直接触れるアクセサリーなど250の製品の成分を分析した結果、112点から鉛・カドミウム・可塑剤など安全基準値を上回る発がん性物質が検出された。一部の製品では、鉛とカドミウムが許容基準値の最大5527倍に達するレベルだった。

 今回の検査対象には、インスタグラムやユーチューブなどSNS(交流サイト)のライブコマース(ライブ配信での販売)を通じて購入した製品も含まれた。ライブコマースで購入した42点の偽物アクセサリーを分析したところ、24点(57.1%)で安全基準を上回る鉛とカドミウムが検出された。

 このうち、鉛は最大で41.64%(基準値の4627倍)、カドミウムは最大で12.0%(基準値の120倍)検出された。関税庁は、単なる表面処理(コーティング)のレベルではなく製造過程で主成分として使われているようだと説明した。

 最近人気を集めている中国発のキャラクター「ラブブ」の関連商品についても、キーホルダー5点を購入して分析したところ、2点から韓国の基準値の344倍に達する可塑剤が検出された。鉛、カドミウム、可塑剤は国際がん研究機関でヒトに対して発がん可能性のある物質に指定されている有害物質だ。

 李明九(イ・ミョング)関税庁長は「今年は個人輸入の規模が2億件に達することが予想されるため、個人輸入の悪用に対する取り締まりを一層強化していきたい」と述べた。

キム・ジソブ記者

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