市況・統計
韓国10月就業者数過去最多2904万人…青年層は過去最少352万人
今年に入って韓国の就業者数は全体2900万人を超えるなど過去最多記録を更新しているが、新社会人である青年層の雇用事情は1年半近く悪化の一途だ。製造業、建設業など主力業種の不振が長期化する一方、AI(人工知能)導入に伴う自動化、求人市場で経験者が優遇されていることなどが重なった結果だ。
【グラフ】韓国青年層と高齢層 就業率の推移
国家データ処が12日発表した10月の雇用動向によると、就業者数は2904万人で昨年同月に比べ19万3000人増えた。就業者数は統計を取り始めた1999年以降で最多だった。しかし、これは働く高齢層が増えたことで、60歳以上の就業者数が33万人以上伸びた結果だ。
逆に15~29歳の青年層の就業者は16万3000人減の352万1000人で、統計集計以来最も少なかった。少子化で青年層が減った影響を考慮しても事態は深刻だ。青年層人口に占める就業者数を意味する青年層就業率は44.6%で前年同月を1ポイント下回った。1全ての年齢層で唯一就業率が低下した。青年就業率は昨年5月から18カ月連続で低下している。
これに対し、60歳以上の就業率は前年同月を0.7ポイント高い48.1%で、青年層(44.6%)を上回った。今年3月から8カ月にわたり、高齢層の就業率が青年層よりも高い逆転現象が続いている。このままでは通年で青年層就業率が2020年以来5年ぶりに高齢層を下回る可能性が高まった。
青年層の就職難が年末まで続けば、3年連続で通年の青年就業率が低下することになる。クレジットカード債務問題と世界的な金融危機が重なって6年連続で青年就業率が低下した2005~10年以降で最も長い低下傾向だ。さらに、就職活動も仕事もしない人が20・30代を中心に急増し、10月は258万人で同月としては統計開始以降最多だった。
キム・スンヒョン記者