▲写真=秋慶鎬議員/ナム・ガンホ記者

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権下での非常戒厳令を巡る内乱事件の特別検察官(以下特検)チームは13日までに、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)国会議員(国民の力)が45年前の1980年、大学時代に全斗煥(チョン・ドゥファン)新軍部による非常戒厳令を経験していたことを根拠に、尹錫悦前大統領の非常戒厳令も違法だという事実を認識していたとみて、秋議員の逮捕状を請求した。

【表】秋慶鎬議員「戒厳解除票決妨害」疑惑の争点

 特検は秋議員について、内乱重要任務従事の疑いで逮捕状を請求した。特検は秋議員が1980年5月17日、高麗大の2年生だった当時、布告で全ての大学が休校になり、戒厳軍が高麗大の構内に駐留し、学生デモを弾圧したことなどを経験していたとし、昨年12月3日の非常戒厳令布告当時もその違法性を認識していたと指摘した。

 しかし、法律専門家は「45年前の記憶を根拠に違法性の認識を主張することにはやや無理がある」との見方を示した。

 特検は「秋議員は歴史的経験とインターネット検索、携帯メールの送受信、テレビ視聴などを通じて確認していた内容などを通じ、非常戒厳令宣布とその後に起きた軍と警察による国会規制など一連の措置の違憲・違法性とそれが内乱に当たる可能性を知っていた」と指摘した。全斗煥新軍部による戒厳令を経験している以上、尹前大統領による戒厳令も違法だったという点を十分に知り得たとの趣旨だ。

 特検はまた、尹前大統領が戒厳令を布告する数カ月前から戒厳令を謀議していたとみられる状況を令状請求に詳細に盛り込んだ。特検によると、尹前大統領は2024年7月、ハワイ歴訪中に当時の金竜顕(キム・ヨンヒョン)警護処長、姜鎬弼(カン・ホピル)合同参謀次長と会い、「韓東勲(ハン・ドンフン)はアカだ」と述べたとされる。さらに、当時野党だった民主党を非難し「軍が関与しなければならないのではないか」という趣旨で発言し、金竜顕警護処長もそれに同調したと明記した。

 そのやりとりを聞いた姜鎬弼参謀次長は帰国後、当時の申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官に「雰囲気が危険だ。長官が阻止すべきだ」と報告したという。特検は尹前大統領が戒厳布告前からその必要性を主張し、韓東勲元国民の力代表に対する敵対心をあらわにしたと判断した。

 秋議員は昨年12月の非常戒厳令当時、尹前大統領側の要請を受け、議員総会の場所を数回変更し、議員の戒厳解除採決出席を妨害した疑いがある。特検は「大統領が2回目の非常戒厳令を布告する可能性があったにもかかわらず、秋議員はそれに備えることなく、国会院内代表室にいた議員らを連れて党本部に移動した」と指摘した。特検は当初、職権乱用容疑の適用を検討したが、被害議員を特定するのは困難だとして、内乱重要任務従事容疑の適用を決めた。

 しかし、法律専門家からは「尹前大統領が戒厳解除された後、2回目の戒厳令も謀議していた『可能性があった』という理由だけで、容疑を指摘したことは行き過ぎだ」という批判もある。

 特検は今月3日、秋議員に対する逮捕状を請求し、13日の国会本会議に秋議員に対する逮捕同意案が上程された。

パク・ヘヨン記者

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