金融・財政
韓日の為替相場・株価・金利動向が酷似、その理由とは
年初来、韓日の金融市場が「同調化(comovement)」する傾向を示している。ウォン・円相場、株価、金利などが同じ時期に同じ方向へと動いているからだ。両国の株価は年末に向け上昇曲線を描いており、同じ期間にウォンと円は対ドルでいずれも下落している。一方、中国は韓日とは違う道を歩んでいる。人民元相場は上昇し、金利は低下している。
【グラフ】そっくり? 韓国ウォンと日本円の対ドルレート推移
ウォンと円は今年、年間を通じほぼ同じ曲線を描いた。ウォンの対ドル相場は今年初め、非常戒厳令の影響で1ドル=1470ウォン台で始まり、6~7月に新政権が発足したことで、1350ウォン台までウォン高が進んだ。その後、11月からドル高の影響で1400ウォンを割り込むウォン安となっている。
円も年初に1ドル=157円まで下落。その後は世界的な経済の不透明性から安全資産に対する需要が高まり、140円台まで反発。その後、緩和的な金融政策を目指す高市早苗首相が就任すると、再び155円を割り込み、円安が進んでいる。
株式市場も同様の傾向を示している。韓日の株価は今年4月に年初来安値を記録し、下半期から急上昇した。韓国総合株価指数(KOSPI)は10月27日、史上初めて4000の大台を突破し、日経平均も同じ日に史上初めて5万円台に乗せた。
両国の国債利回りもそうだ。日本の10年物国債利回りは昨年11月に年1%前後だったが、11月27日には1.82%まで上昇した。高市首相の就任で政府の積極財政への期待が高まっているからだ。韓国の10年物国債利回りも同様に李在明(イ・ジェミョン)政権発足後、2.7%から3.3%まで上昇した。
中国の金融市場は韓日と反対の流れだ。人民元は年初に1ドル=7.30元だったが、直近では7.08元まで上昇した。中国の10年物国債利回りは1年前の2%から現在は1.8%前後で推移している。西江大経済学部のホ・ジュンヨン教授は「中国は米国との貿易戦争に備え、実弾を節約するため、国債発行を抑制している」と指摘した。
■中国より米国の影響力大
2010年代までは韓日の金融市場は動きが食い違うことが多かった。日本は円安とゼロ金利を背景に株価が上昇したが、韓国は企業の支配構造改善が遅れたほか、中国の景気が揺らぐと、韓国株式市場も同時に不振に陥った。
最近日本と似たパターンを示しているのは、韓国経済の中国への依存度が低下する一方、米国経済の動向と政策による大きな影響を受ける構造に変わったためだと分析されている。
韓国の輸出に占める対中輸出の割合は一時30%を超えていたが、サプライチェーン(供給網)再編と米中対立などの影響で今年上半期には18.2%まで低下した 逆に対米輸出の割合は2020年の14.5%から2024年には18.7%に上昇した。iM証券のアナリスト、パク・サンヒョン氏は「米国の人工知能(AI)投資サイクルによるトリクルダウン効果を主に韓国、日本、台湾が受ける構造であり、米国の関税政策でも韓国は常に日本と同じカテゴリーの中にあることなどが韓日の金融市場が同調化する要因として作用している」と話した。ホ・ジュンヨン教授は「韓国と日本は共にますますAIと半導体に依存する産業構造となり、外国の投資家が韓日を一つの投資先と考えた結果、株式、為替、金利の動向が酷似することになった」と分析した。
郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者