▲青瓦台(韓国大統領府)迎賓館で外信各社との会見に臨んだ李在明(イ・ジェミョン)大統領。3日撮影。/NEWSIS

 昨年12月3日の非常戒厳令から1年を迎え、李在明(イ・ジェミョン)大統領はこの日を「国民主権の日」とする考えを示した上で「国民の祝日とし、国民が1年に1回はこの日を思い起こすことが重要だ」と述べた。12月3日を国の記念日として休日に指定し、これを国民が祝う日にするという。与党・共に民主党からも「12月3日の民主化運動記念日指定を党の方針として採択した」と明らかにした。

 韓国国民が戒厳令を終わらせたその意味合いは決して小さくない。わずか6時間の騒動だったが、韓国軍兵士が一部動員され、国会で対峙(たいじ)するなど危険な状況も発生した。国格が下がる事態だったが、大規模な流血事態などはなく当時の大統領が弾劾され、社会が正常に戻ったことは誇りに思ってもよいだろう。

 しかしそれでもこれを国の記念日・祝日にすべきかは疑問が残る。これまで多くの国民が民主化のため血を流したが、民主化記念日は祝日になっていない。また歴史的にもっと大きな意味のある4・19、5・18、6・29も法定休日ではない。

 韓国の祝日は国慶日、旧正月、秋夕(チュソク、旧暦8月15日)などだ。三・一節や光復節は独立を記念し、顕忠日は殉国先烈に敬意を表する日だ。旧正月、秋夕、花祭り、クリスマスなども全ての国民が記念し祝う日だ。慶祝日と休日を法律で定めるのであれば、与野党が合意し国民の大多数が共感する日にすべきだろう。一部の政党が勝手に決めるべきことではない。

 戒厳令直後に行われた世論調査で共に民主党の支持率は国民の力の2倍に達した。不法な戒厳令にほぼ全ての国民が衝撃を受けたからだ。しかしそれから1カ月後の世論調査では両党の支持率はわずか2ポイント差にまで縮まった。戒厳令と弾劾で前倒しされた大統領選挙も李在明大統領の得票率は過半数に至らなかった。

 戒厳令を終わらせたことは確かに誇るべきだが、今の共に民主党による暴走を苦々しく思う国民も決して少なくない。共に民主党の暴走が戒厳令を引き起こしたと考える国民も多い。それでも共に民主党が12月3日を国の記念日として祝日にするなら、国民の多くが違和感を持つだろう。やり過ぎと考える国民も多いはずだ。国の記念日・祝日の指定は国民大多数が喜んで同意することが必要だ。

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