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尹前政権 非常戒厳宣言の1年前に北朝鮮へのビラ散布決定
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前政権が昨年末の「非常戒厳」宣言の約1年前に北朝鮮に向けたビラ散布の再開を決めたことが軍内部の調べで分かった。尹政権当時、国軍心理戦団がビラを散布したとの主張はあったが、実際に軍の調査で確認されたのは初めて。与党「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)国会議員側が17日、明らかにした。
北朝鮮に向けたビラ散布は文在寅(ムン・ジェイン)政権だった2017年7月に中止されたが、尹政権は23年10月に再開を決めた。国家安全保障会議(NSC)常任委員会で、申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官、金暎浩(キム・ヨンホ)統一部長官、金奎顕(キム・ギュヒョン)国家情報院長(いずれも当時)らが協議して決めたという。
申長官が23年11月にビラ散布の再開を軍に口頭で指示。軍合同参謀本部から国軍心理戦団に通達された。
同戦団はラジオや拡声器、ビラなどを用いた対北朝鮮心理戦を担当する国防部直轄の部隊だ。指示を受け昨年2~11月に計23回のビラ散布を実施した。首都平壌など主要都市のほか、軍部隊などをターゲットにした。
北朝鮮は昨年、韓国が先にビラを散布したと抗議し、同5月から韓国に向け「汚物風船」を飛ばした。