▲曺喜大・大法院長/写真=NEWSIS

 曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁長官)が昨年の12・3非常戒厳当時、裁判所行政処の幹部に「戒厳は違憲的」という趣旨のことを語り、「戒厳司令部に連絡官を派遣するな」と実務者に指示していたという内容が、趙垠奭(チョ・ウンソク)内乱特別検察官(特検)チームの不起訴決定文に含まれていることが22日までに分かった。

 これまで進歩(革新)系の「共に民主党」など与党側は、大法院長が戒厳直後に大法院の緊急会議を開いて司法権を戒厳司令部に移譲しようとした、という形の戒厳加担疑惑を提起していたが、事実ではなかったのだ。

 特検チームは決定文で、戒厳当日に企画総括審議官など裁判所行政処の幹部が午後11時30分ごろ出勤して非常戒厳関連の法令を検討し、意見をやりとりしたものとみられる、とした。しかし特検チームは、この議論は当時、曺院長が裁判所行政処に到着する前に行われ、曺院長の指示に基づくものでもなかったと見なした。当時、インターネットなどを通して戒厳宣布の事実を知った幹部たちが「ひとまず出勤しよう」と意見を集約して、自発的に集まったのだ。また特検チームは、戒厳の状況で関連法令について意見を交わしただけで問題にするのは困難、と判断した。

 さらにその後、12月4日午前0時40分ごろ曺院長が裁判所行政処に到着し、幹部たちが集まった席で戒厳の違憲性に言及し、戒厳状況室から連絡官の派遣要請を受けた裁判所行政処の実務者に「連絡官を派遣する必要はない」と指示していたことが調べによって判明した。実際、戒厳司令部に派遣された連絡官はいなかったという。

 特検は今月15日、曺大法院長の内乱加担容疑告発事件を証拠不十分で「嫌疑なし」処分とした。

キム・ヒレ記者

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