【ソウル聯合ニュース】第2次世界大戦中に旧日本軍の軍人・軍属として従軍し、靖国神社に合祀(ごうし)された韓国人の遺族10人が合祀が故人や遺族の同意なしに行われ、人格権や宗教の自由を侵害したなどとして、日本政府と靖国神社に対し合祀の取り消しと損害賠償を求める訴訟をソウル中央地裁に起こした。徴用被害者などを支援する韓国市民団体「民族問題研究所」が23日、発表した。

 遺族ら10人は合祀された人の情報が記された「祭神名票」や「祭神簿」からの故人の名前の削除と計8億8000万ウォン(約9300万円)の損害賠償を求めている。

 訴訟代理人は、遺族にとって靖国神社の合祀は単なる宗教儀礼ではなく、侵略戦争を美化する行為に遺族を加担させる加害行為とし、「天皇のための戦没者」にされた状態を終え、遺族が望む方式で追悼する権利を回復しなければならないと指摘した。

 原告の80代の女性は、「今年は光復(日本の植民地支配からの解放)80年というが、靖国に閉じ込められた父は解放されていない」とし、「辛い歴史をいつまで遺族が耐えなければならないのか。なぜ私は今も日本植民地の被害者としていなければならないのか」と訴えた。

 靖国神社には極東国際軍事裁判(東京裁判)のA級戦犯14人が合祀されている。靖国神社に遺族の同意なしに韓国人が合祀されているという事実は、1990年代以降、徴用被害者の遺族などが日本政府を相手に損害賠償請求訴訟を起こしたことで知られ、韓国人は2001年から日本の裁判所に合祀の取り消しを求める訴訟を起こしている。

 靖国神社に合祀された韓国人の数は約2万人とされる。

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