【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル中央地裁で26日、特殊公務執行妨害、職権乱用権利行使妨害などの罪に問われた尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の論告求刑公判が開かれ、特別検察官側は懲役10年を求刑した。尹被告による昨年12月の「非常戒厳」宣言に関する四つの裁判のうち、求刑が言い渡されたのは初めて。

 特別検察官は尹被告が捜査機関「高位公職者犯罪捜査処」による自身の拘束令状の執行を妨害した罪で懲役5年、非常戒厳の宣言前に閣議に出席できなかった閣僚9人に対し憲法で定められた戒厳審議・議決権を侵害したほか、非常戒厳に関する虚偽事実が盛り込まれた文書を海外メディアに送るよう指示した罪、軍司令官らの盗聴防止用携帯電話の通話記録を削除するよう指示した罪で懲役3年、事実と異なる内容の戒厳宣言文を事後に作成し、後に破棄した罪で懲役2年をそれぞれ求刑した。

 尹被告の戒厳宣言を巡る内乱事件を捜査する特別検察官は「事件は被告人が自身の犯行を隠蔽(いんぺい)し、正当化するために国家機関を私有化した重大犯罪」とし、「被告人によって毀損(きそん)された憲法と法治主義を正し、韓国の歴史において最高権力者による権力乱用犯罪が二度と起こらないよう厳重に責任を問う必要がある」と強調した。

 判決は来年1月16日に言い渡される見通しだ。

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