▲グラフィック=キム・ソンギュ

■非常戒厳宣布から122日…韓国の憲政史上2度目の大統領罷免

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領は4月4日、憲法裁判所で裁判官8人全員一致の意見により罷免された。24年12月3日の非常戒厳宣布から122日目のことだった。朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領に続き、韓国の憲政史上2度目の大統領罷免だった。尹・前大統領は、弾劾される前の1月、現職の大統領としては初めて逮捕・勾留された。大統領の逮捕・勾留に反発した大統領支持者らが、ソウル西部地裁を襲撃して暴動を起こすという事態も発生した。尹・前大統領は、内乱を首謀した罪など8件で一審の裁判を受けている。

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■李在明政権発足…「内乱克服」を最初の命題に

 6月3日に投開票が行われた韓国大統領選挙で、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補が49.42%の得票率で第21代大統領に当選した。李在明大統領は「今回の大統領選挙で(国民が)誰を支持したとしても、全ての国民に共に仕える全員の大統領になる」と宣言した。それと同時に、最初の使命として「内乱克服」を掲げた。李在明大統領は大統領選前までに12件の罪で五つの裁判が進行していたが、それらの裁判は全て中断された。

■韓米関税交渉妥結、3500億ドル規模の対米投資を約束

 韓米関税交渉が10月29日、慶州でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議期間中に劇的に妥結した。米国が韓国に日本と同じ15%の関税を適用する代わりに、韓国は3500億ドル(約54兆円)規模の対米投資を約束した。現金投資は年間200億ドルという上限を設定した。これにより、韓米FTA(自由貿易協定)体制は事実上幕を下ろし、自由貿易によって成長した韓国は、強力な保護貿易の波を乗り越えるための競争力の再構築という課題を抱えることになった。

■クーパン・SKT・KTなどで大規模な個人情報流出…ハッキングにやられたIT大国

 2025年は大規模な個人情報流出事件が相次いだ。ネット通販最大手クーパンでは、中国人社員が3370万人分のユーザー情報にアクセスして情報を流出させ、SKテレコムでは約2300万人のUSIM(ユーシム=携帯電話に差し込む、契約者情報を記したICカード)情報がハッキングされた。KTの加入者の一部は、違法な基地局を利用した新種のハッキングの被害を受けた。クーパンは管理のずさんさが明らかになって世間の怒りを買い、SKテレコムは過去最大となる1347億ウォンの課徴金を賦課された。

■大庄洞事件で韓国検察が控訴放棄…司法府を揺さぶった共に民主党

 韓国検察は11月、「大庄洞土地開発不正事件」(京畿道城南市大庄洞の土地開発を巡る背任事件)の一審判決に対して控訴を放棄した。これに伴い、大庄洞開発の民間業者らが手にした7000億ウォン超の犯罪収益は回収が不可能となった。5月に大法院(最高裁判所)が李在明大統領の公職選挙法違反事件を有罪の趣旨で破棄・差し戻しを行って以降、共に民主党など与党は露骨に司法府に揺さぶりをかけた。与党は曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁長官)の弾劾・辞任をちらつかせ、大法官(最高裁判事)の増員や法院行政処(司法行政の事務をつかさどる最高裁の付属機関)の廃止なども推進している。

■巨大与党の立法暴走、放送3法・黄色い封筒法などを強行採決

 大統領選に勝利して与党となった共に民主党は、野党の反対をものともせず過半数という議席数を武器に法案を強行処理した。産業界が懸念していた労組法(黄色い封筒法)や商法改正案、公営放送の支配構造を変える放送3法改正案、与党系の他の政党や団体も懸念していた情報通信網法改正案などが、民主党の主導によって国会を通過した。多数の法案が国会本会議への上程当日まで修正を重ね「拙速立法」と言われながら処理された。

■カンボジアで韓国人狙った拉致・監禁相次ぐ…国際的な特殊詐欺の実態が明らかに

 8月初め、カンボジアで韓国人の大学生が国際犯罪組織に拉致・監禁され、拷問を受けた末に死亡する事件が発生した。この事件をきっかけに、韓国人を狙ったボイスフィッシングや拉致・監禁を繰り返してきたカンボジア拠点の国際犯罪組織の実態が明らかになった。韓国人を狙ったボイスフィッシングや拉致が何百件も発生したことを受け、韓国政府は合同対応チームを立ち上げて現地調査に乗り出し、カンボジアに警察の捜査官7人を派遣した。

■米移民当局、ジョージアで韓国企業社員ら300人を一斉拘束

 米国の移民当局が9月4日、ジョージア州にあるLGエナジーソリューションの工場に武装した要員を送り込んで大規模な摘発を実施した。韓国人社員ら300人超が拘束・拘禁され、社会に衝撃を与えた。米政権は、観光ビザなどで不法就労していたという点を問題視したが、実際には自国民の雇用を守るために韓国人を標的にしたとして批判され、韓国国内でも反米世論が沸き起こった。米国はその後、韓国企業に対するビザ発給で便宜を図る方針を示した。

■KOSPIが初めて4000の大台突破…為替相場は1ドル1480ウォン台の歴史的ウォン安に

 韓国の総合株価指数(KOSPI)が初めて4000の大台を突破した。非常戒厳の余波で年初には2200台まで下落したが、その後は着実に上昇を続け、11月3日には過去最高となる4221.87を記録した。半導体関連の大型株が好調だったことに加え、政府による株式市場活性化政策、外国人資金の流入も指数を押し上げた。一方、対ドルのウォン相場は世界金融危機以降で初めて1ドル=1480ウォンを突破し、経済全般の不安要因となった。

■アニメ映画「KPOPガールズ!」大ヒット…Kカルチャーが世界的ブームに

 ネットフリックスのアニメ映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』が世界的なブームを巻き起こした。ネットフリックス史上初めて累積視聴回数が3億回を突破し、最も多く視聴された作品となった。劇中歌『Golden』も米ビルボードのメインシングルチャート「ホット100」で8週間にわたって1位を獲得した。同作は、米国のソニー・ピクチャーズが制作し、韓国系カナダ人のマギー・カン監督が演出を手掛けた作品だ。グローバルなコンテンツが韓国文化を前面に押し出して成功したケースとして、「Kカルチャー」の進化を示す作品となった。

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