▲北朝鮮が韓国発の無人機だとして公開した写真。/写真=労働新聞・ニュース1

 韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は20日の国務会議(閣議)で、最近韓国国内の民間人が北朝鮮に無人機を送り込んでいた状況が判明したことに関連して「戦争開始行為も同然」だとし「国家機関が関わっていたという説もある。徹底して捜査すべき」と指示した。これに関連して韓国軍当局は、当該無人機を送り込んだと主張している30代男性A氏が国軍情報司令部(情報司)から支援金を受け取った疑惑を調査している。情報司はA氏が北朝鮮に無人機を送り込んでいる事実を事前に把握しており、李在明政権になってからもA氏らに対して支援金を支払って来た状況を、韓国軍が捜査しているという。

【写真】2014年と17年に北朝鮮から韓国に飛来した無人機

 本紙の取材を総合すると、A氏は昨年4月に二つのインターネットメディアを作り、情報司のエージェントから毎月数十万ウォン(10万ウォン=現在のレートで約1万700円。以下同じ)-数百万ウォン(100万ウォン=約10万7000円)の支援を受けていたと伝えられている。A氏が発行人として名を連ねている二つのメディアは、北朝鮮の政治・社会・経済と国際情勢を扱う。

 情報司のエージェントは、A氏はもちろん、A氏の要請で無人機を作った彼の大学時代の後輩B氏とも接触してきたことが分かった。情報司がA氏らと初めて接触したのは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権時代の2024年7月だと伝えられている。情報消息筋は「情報司のエージェントが、北朝鮮に無人機を送り込んで核施設などについての情報を集めることができるだろうと判断し、ヒューミント(HUMINT。人的情報)として管理していたようだ」と伝えた。

 A氏・B氏は2023年9月に無人機会社を共同設立した。二人は2020年に統一関連の青年団体を一緒に作って活動し、尹錫悦政権では契約職のニュースモニタリング要員として大統領室で勤務したこともある。

 二人は情報司関係者と初めて会った席で、自分たちの作った無人機の運用動画を見せたと伝えられている。ある匿名の情報司関係者は「(A氏・B氏の取り込みを担当していた)作戦要員が接触前に部隊長へ報告し、正式承認を受けたようだ」と語った。

 2024年に12・3非常戒厳事態が発生した後も、情報司はA氏らとの関係を続けてきたという。このため、与党の一部では「情報司がA氏・B氏を活用して北朝鮮の挑発を誘導するための無人機侵入作戦を計画したのではないか」という疑惑を提起している。尹錫悦政権のドローン作戦司令部が行った平壌無人機潜入作戦のように「一般利敵」の疑いを持っている人もいる。韓国警察と合同調査タスクフォース(作業チーム)を組む韓国軍当局は、A氏・B氏との接触を承認したC大領(大佐に相当)を調査する方針だと伝えられている。

 しかし情報司側は、戒厳などの政治的状況とは無関係の正常な情報収集作戦だったという立場であることが分かった。これに関連して李在明政権発足直後の昨年6月、対北インターネットメディアの「デイリーNK」は、北朝鮮の平山郡のウラン工場から放射性排水が放流されていると報じた。ここで情報司はA氏に、無人機を飛ばして現場の状況を把握してみるのはどうかと提案し、A氏が応じたものと理解している―と情報司の消息筋は伝えた。

コ・ユチャン記者、イ・ギウ記者

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