▲ベトナムの国旗に敬礼する李雲在コーチ。/ユーチューブ

 24日(韓国時間)にサウジアラビアのジッダで行われたサッカーのU-23(23歳以下)アジア・カップ3位決定戦。韓国を相手に互角の戦いを見せ、延長戦を2-2で終えてPK戦に突入したベトナム代表の金相植(キム・サンシク)監督(50)が、李雲在(イ・ウンジェ)コーチ(53)とGKのカオ・バン・ビン(21)を呼んだ。金監督が「李コーチの指示通りにできるだろう?」と言うと、GKカオはうなずいた。2002年ワールドカップ(W杯)韓日大会で韓国がベスト4入りを果たした当時の主役で、W杯本大会にGKとして4度も出場している李雲在コーチは、ベトナムの選手たちに一目置かれる指導者だ。特に2002年W杯準々決勝のスペイン戦など、数多くのPK戦でチームを勝利に導いたことで有名だ。Kリーグでは12回のうち11回のPK戦で勝利し、驚異的なPK戦勝率(91.7%)を誇った。

【写真】PK戦勝利に喜びを爆発させるU-23ベトナム代表

 ビデオ分析などを通じて韓国のキッカーの特徴を把握した李雲在コーチが、ベトナム語で右・左などと言うと、隣にいた選手があらかじめ決めておいたハンドサインでGKカオに伝えた。李雲在コーチの指示を受けたGKカオは、韓国が蹴ったPK6回のうち3回も方向を正しく読んでダイブした。ボールが速くて止められなかったものの、判断自体は正しかった。一方、韓国の守護神ファン・ジェユンは特に分析をしていなかったのか6回とも自分から見て右方向に飛んだが、蹴られたボールは全て反対方向に飛んだ。PK戦で6-6となったとき、GKカオはまたしても正確に動き、ペ・ヒョンソのPKを止めた。続いて蹴ったグエン・タイン・ニャンのボールがゴールネットを揺らし、ベトナムがPK戦を7-6で制して3位に輝いた。

 PK戦での勝利であるため、公式記録は「引き分け」だが、これまで韓国との対戦成績が6敗3分けだったベトナムのU-23代表が、初めて韓国から奪った勝利だった。韓国は後半41分、1ゴール1アシストとベトナムの攻撃の要だったグエン・ディン・パクが退場となって数的優位に立ち、シュート数も32-5と圧倒的な試合展開だったにもかかわらず、勝利をつかむことができなかった。2024年大会では申台竜(シン・テヨン)監督率いるインドネシアに敗れてパリ五輪出場を逃し、2年後の今年はベトナム相手に屈辱を味わった。ベトナム旋風を巻き起こした金相植監督は「10人になってしまったが、最後まで耐え抜く自信があった」と話した。

 金監督は、ASEAN三菱電機カップ(東南アジア選手権)、ASEANチャンピオンシップU-23、東南アジア競技大会の3大会を制覇したのに続き、U-23アジア・カップでも3位と善戦し、ベトナムのファンたちを熱狂させた。全北現代で選手、コーチ、監督として合わせて9回のKリーグ優勝を経験した金監督は、23年5月にチームがリーグ10位に転落したのを機に監督を辞任した。その時は金監督の復活は容易ではないと思われたが、今やベトナムで国民の英雄となっている。

 選手たちと気さくに触れ合う金監督の姿に好感を抱くベトナムのファンたちは、金監督の名前の末尾「シク」が「シックス(6)」を連想させるとして、金監督を「アンクル・サウ(サウ=ベトナム語で6)」と呼んでいる。しかし、金監督の真価は、親近感よりもち密さの方に表れる。今大会では毎晩ほぼ徹夜でビデオ分析に集中し、結果として徹底的に各相手に合わせた戦略を立てて成果を挙げた。韓国戦では、準決勝の中国戦での先発メンバー11人のうち9人を入れ替えるという大胆な戦略が奏功した。その金監督を、2010年W杯南アフリカ大会で「ゴールを決めるDF」として韓国を決勝トーナメント進出に導いたイ・ジョンス・コーチと、W杯のレジェンド李雲在GKコーチという頼もしい2人が補佐する。2006年W杯ドイツ大会に出場した金監督まで合わせると、3人が経験したW杯本大会は計6回になる。

 なお、25日に行われたU-23アジア・カップ決勝では、日本が中国に4-0で完勝を収め、大会2連覇を果たした。28年のロサンゼルス夏季五輪を見据えて21歳以下のメンバーでチームを組んだ日本は、今大会で16得点1失点という圧倒的な実力を見せた。

チャン・ミンソク記者

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