▲写真=UTOIMAGE

 つらい状況で悪口を吐き出すと、心理的な抑制を克服し、集中力を高め、身体的な遂行能力を高める可能性があるという研究結果が出た。

 英国キール大学の研究チームは、悪口が筋力や持久力などに及ぼす影響を分析してこのような結果を得たとし、19日にアメリカ心理学会(APA)ジャーナル「American Psychologist」に発表した。研究チームを率いたリチャード・スティーブンス博士は、身体的な挑戦課題の途中で悪口を言うと遂行能力が向上するというのはすでに検証されている事実としながらも「問題は、悪口がどのように役立つのか、その心理的メカニズムは何なのかということ」と研究の背景について説明した。

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 研究チームは、健康な成人192人を対象に、いすに手をついたまま腕で体重を支える「いすプッシュアップ」をさせ、それを行う間、それぞれが選択した悪口あるいは中立的な単語を2秒ごとに吐き出させた。さらに、課題を終えた後、実験中の精神状態に関する没入・散漫・ユーモア・自信など、状態的脱抑制に関する要因について質問した。状態的脱抑制とは、自己検閲と社会的抑制が一時的に弱まる状態を意味する。

 その結果、中立的な単語を言うよりも悪口を言ったとき、いすプッシュアップで耐える時間が明らかに長かった。また、没入感が強まり、散漫さは減少し、自信が増すなど、脱抑制状態を見せることが分かった。具体的に見ると、88人の最初の実験では悪口の条件でいすプッシュアップの時間が平均26.92秒となり、中立的な単語(24.19秒)に比べて2.73秒長かった。94人の二度目の実験でも、悪口(26.97秒)が中立的な単語(24.55秒)に比べて2.42秒長かった。

 この統計に先立ち、2022年に118人を対象に実施した実験と統合分析の結果、悪口を言うときはいすプッシュアップ時間が平均27.97秒で、中立的な単語を言うとき(25.36秒)に比べて2.61秒長かった。リチャード・スティーブンス博士は「悪口を言うことによって社会的な制約から解放され、さまざまな状況でより強く自分自身を追い込むことができるようになる」とした上で「悪口がどうしてそんなによく使われるのかを説明してくれる結果」と主張している。

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