▲イラスト=UTOIMAGE

 中国のドラマ制作チームが、寒い日に雨の降るシーンを撮影して赤ん坊がずぶ濡れになっていたことが分かり、物議を醸している。現場にいた女優がこの件を暴露し、ネット上では制作チームに対する批判が渦巻いている。

【写真】赤ちゃんと大雨に打たれながら演技する中国人女優シン・ユンさん(37)

 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)などが1月26日(現地時間)、報じた。それによると、この問題を暴露したのは中国人女優のシン・ユンさん(37)。自身のSNS(交流サイト)で、昨年の撮影に携わった制作チームが幼児を虐待したと主張した。

 公開された動画には、事業家役のシンさんが、雨に濡れた母親と赤ん坊を見て傘とお金を手渡すシーンが映っている。動画に映る赤ん坊は、つらそうな表情でぐずっている。

 シンさんは、撮影時は非常に寒かったにもかかわらず、水タンク車が水を散布して豪雨を演出していたと説明した。そのため、俳優におんぶされていた赤ん坊は長い間雨水に濡れていたという。シンさんは「撮影現場で撮られたこの動画を偶然見たが、怒りが湧いてきた」として「赤ん坊がつらそうに泣き叫んでいるので胸が痛かった。本当に腹が立って、無力感を覚えた」とつづった。さらに「雨が降るシーンを撮影したのは夜だったが、水に濡れて脚の感覚が無くなったかのようだった」と説明した。

 シンさんによると、制作チームが時間を節約するために、赤ん坊を人形に置き換えることはしなかったという。シンさんは「傘でぎりぎり(赤ん坊の)頭が隠れるかどうかという状況だった」「私が傘をもう少し下げれば赤ん坊が雨に濡れずに済んだけれど、そうすると私たちの顔が隠れてしまうと監督に言われ、傘を下げさせてもらえなかった」と説明した。

 赤ん坊役の子役俳優には今回、800元(約1万7000円)の出演料が支払われたという。シンさんは「ミニシリーズ(連続ドラマ)の制作チームはいつも、女優と子役を限界まで追い込む。撮影で私が犠牲になるのは耐えられるが、子役にまで同じ苦痛を味わわせるのは許せない」とつづった。

 シンさんの投稿はSNSで話題になった。ネット上では「児童虐待だ。無慈悲な制作チームと冷酷な親は非難されるべき」「子どもをカネ稼ぎの手段だと考えている。親の資格がない」などの批判が相次いだ。結局、この作品は現在、主なSNSプラットフォームから削除された状態だ。

 シンさんは、かつて西安地域で大雪のあとに撮影した際にも同様の経験をしたと明かした。砂利道をはだしで走るというシーンの撮影があり、そのシーンでは子どもをごみの積まれたトラックに載せなければならなかったという。

 報道によると、中国の連続ドラマの人気が高まったことで、「7日間で100話制作」という過酷な作業形態が蔓延するようになったという。そのため、子役俳優の権利や健康が脅かされているようだ。

 中国当局は1月8日、子役俳優の保護のために、暴力的なシーンや感情的に激しいシーンなど、子どもの身体能力を超えるような過酷なシーンの撮影を禁止した。

 しかし依然として、一部の子役俳優は一日16時間以上も撮影に駆り出され、重い衣装を着てワイヤーアクションをこなすなど、過酷な環境で活動している。ある連続ドラマでは11歳の少女が成人俳優と不適切な愛情シーンを撮影していたことが分かって物議を醸し、最終的にこのドラマは削除された。

チョン・チェビン記者

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