韓国の進歩(革新)系与党「共に民主党」が国会本会議での強行処理を予告している「司法3法」の問題を話し合うための全国裁判所長会議が、25日に開かれた。司法3法とは、法理歪曲(わいきょく)を理由として判事・検事を処罰できるようにする法歪曲罪新設法案、裁判所の確定判決への憲法訴願を許容する裁判訴願導入法案、大法官(最高裁判事)を14人から26人に増やす大法官増員法案を指す。裁判所長たちは会議後、「十分な公論化と反作用についての熟議なしに各法案が国会本会議に付議された状況に対して、深刻な遺憾を表する」とコメントした。民主党の立法暴走に反対する意思をはっきりと示したのだ。

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 裁判所長たちは、民主党の法案について「国民の被害が懸念され、取り返しのつかない重大な被害を発生させかねない」と警告した。立場の表明を自制する司法府の雰囲気を考慮すると、かなりハイレベルな反対の意思表明を行ったのだ。実際、法歪曲罪だけを取り上げてみても、法理歪曲かどうかを判断する基準があいまいで、処罰範囲が過度に拡大されかねない。民主党はこの日、「違憲の余地を最小限にする」として原案を一部修正して本会議に上程したが、問題は依然として存在する。政権が、自分の気に入らない判事・検事を処罰する手段として法歪曲罪を悪用する余地が多分にある。

 裁判訴願制度で事実上の四審制になったら、裁判の当事者たちは「訴訟地獄」に陥りかねない。大法官をさらに12人増やしたら、中堅判事およそ100人を裁判研究官として大法院に派遣しなければならず、ただでさえ深刻な下級審の判決遅延がいっそう深刻になりかねない。ところがこれまで、こうした問題についての補完策はきちんと議論すらされなかった。裁判所長たちが「国民の被害と社会的損失が懸念される」と述べたのも、これが理由だ。

 加えて、民主党はこうした拙速法案を政略的な目的で推進している。民主党は、昨年5月に大法院(最高裁)が李在明(イ・ジェミョン)大統領の選挙法違反事件を有罪の趣旨で破棄差し戻しした後、これらの法案を本格的に推進した。司法府に圧力をかける狙いがあると見るほかない。実際、大法官を26人に増やす場合、李大統領は任期中に大法官22人を任命することになり、司法府を掌握できるようになる。裁判訴願の導入も、李大統領の裁判結果を覆す装置を用意しようとしているのではないか、という疑念を拭い去り難い。法歪曲罪も、政権の口に合う捜査と裁判をせよ、という圧力になりかねない。ひとえに、李大統領の司法リスクを無くすために司法府をコントロールしようとするもの―と見るほかない。

 司法制度の改編は国の根幹を変えるものであって、国民の暮らしに重大な影響を及ぼす。特定の政権がこのように政略で拙速推進してはならない。司法システムが壊れて国民の被害が大きくなった場合、後にその責任をどのように取るのだろうか。民主党が真に司法改革を望むのであれば、今からでも、暴走をやめて法曹界の意見を十分に集約した後、与野党が合意処理できるようにすべきだ。

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