▲5日、青瓦台(韓国大統領府)で行われた国務会議(閣議)で議長を務める李在明(イ・ジェミョン)大統領。写真=ニュース1

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は5日に臨時国務会議(閣議)を開き、いわゆる「司法3法」の審議・決議を行った。これは、法案が政府に送られてから1日で迅速に処理されたものだ。保守系・進歩(革新)系を問わず、法曹界関係者の多くが法歪曲(わいきょく)罪や裁判訴願法(四審制)、大法官(最高裁判所裁判官)増員法の違憲性、法治毀損(きそん)を懸念し、李大統領に拒否権の行使を要請していた。全国の裁判所長も「法治主義の後退として歴史に記録されるだろう」という異例の見解を表明した。司法制度の根幹を揺るがす内容であれば、法曹界や学界、政界が熟議する過程が必須であるが、それにもかかわらず、国会での立法公聴会もなく処理された。国会を掌握している与党が数の力で押し切ったもので、民主的・法治的な正当性が不十分な立法だと言わざるを得ない。しかし、李大統領は拒否権行使の要求を無視しただけでなく、即決で決議してしまった。

【表】閣議で了承された「司法3法」の内容

 「司法3法」は李大統領と直接関係がある。当初からそうだった。大法院が昨年5月に李大統領による選挙法違反事件を有罪の趣旨で破棄差し戻して以降、与党・共に民主党が本格的に推進してきた。四審制により憲法裁判所で李大統領の事件を覆すことが可能になるほか、李大統領の任期中に大法官26人のうち22人を直接任命し、退任後の裁判に影響を与えることもできる。法歪曲罪が導入されれば、検事や判事たちの信念に基づく捜査・判決も難しくなる。政権内部からでさえ、法歪曲罪に対して「文明国として恥だ」と批判の声が上がっているのもこのためだ。それにもかかわらず、共に民主党は司法3法と共に曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁長官)の辞任まで要求した。これは大法院に対する報復だ。

 大統領1人のための立法だという指摘があれば、大統領が形式的にでも国会に再議を要求し、熟議の手続きを踏んでこそ、最低限の名分が立ったことになるだろう。いずれにせよ裁判が中止されている状態なので、変わることもない。しかし、李大統領はこれすらも拒否した。

 李大統領は昨年9月に与野党の代表と会った際、「与党の方が多くを持っているので、もっと譲ってほしい」と超党派の協力を強調した。しかし、野党がフィリバスター(議事妨害)や街頭デモを開いて反対していた「司法3法」を、共に民主党は一方的に処理し、李大統領はこれを即座に受け入れた。李大統領が強調していた協治や、与党にさらなる譲歩を求めたこととは正反対だ。拒否権の行使により、国民生活に関する分野での協治の機会も失われることになった。

 この全ての過程を見ると、結局この日、李大統領が決議した「司法3法」は共に民主党の一部強硬派による突発的な行動ではなく、大統領の意向がそのまま反映された「李在明法」のように見える。権力者1人の問題のために司法府の独立を深刻に侵害し、憲政秩序を損なったという汚名は長く消えないだろう。

ホーム TOP