京畿道坡州市のある数学塾では、毎年1回、生徒を対象に文章を読んで解釈する試験を実施している。読解力を測定するためだ。同塾代表のキム・ソンジンさんは「数学の問題でも記述式になると、文章を正しく読み取れず、手も付けられなくなる生徒が増えた」と話す。算数を学びながらも、「算数」ではなく「文章」でつまずくケースが少なくないというわけだ。

【表】韓国小・中学生の読解力調査結果

 忠清北道鎮川郡で小学生向けの学習塾を運営するイ・ウンヨンさんは最近、文章で書かれた算数の問題を四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算をまとめた呼び方)の式に書き換える授業を行っている。例えば「かごにリンゴを2個、ナシを3個を入れた。かごの中のリンゴとナシは全部で幾つか」という文章を読み、「2+3=5」に直すといった具合だ。イさんは「子どもたちは『+』『-』といった記号には慣れていても、『足す』『引く』といった韓国語の意味を混同するケースが見受けられる」とし「文章が少しでも長くなると、読むこと自体を諦めてしまう」と最近の事情に触れた。

 青少年の読解力低下が深刻化する中、読解力テストを実施したり、国語の授業を並行して行ったりする算数塾が増えている。ソーシャルメディアやショートフォーム(短尺動画コンテンツ)など、短文や映像に慣れているスマートフォン世代の読解力低下が、教育現場の現実的な課題として浮上しているためだ。難解な算数用語は理解していても、韓国の伝統的遊戯であるユンノリ(すごろく)の「ト、ケ、コル、ユッ、モ」(日本語で1、2、3、4、5)を知らず、確率問題を解けない生徒も少なくないという。教育界の専門家は「読解力低下を放置すれば、算数も機械的な暗記だけで理解するなど、他教科の学習能力にも悪影響を及ぼす」と警鐘を鳴らす。

 生徒の「読解力低下」現象は加速化している。本紙が最近、韓国教員団体総連合会(韓国教総)と共同で全国の小・中・高校の教員941人を対象に実施したアンケート調査では、回答者の95.1%が「以前に比べて生徒の読解力が低下した」と答えた。2024年に忠清南道の教育庁がまとめた読解力検査に伴う報告書によると、小学生の98%、中学生の92%が、制限時間内に教科書の本文を最後まで読むことができていないことが分かった。

 生徒たちの読解力問題が表面化する中、保護者も対策作りに乗り出している。保護者向けのオンライン・コミュニティーでは「基本問題や応用問題は解けるが、問題文が長くなると解けなくなる」とし、読解力を高めるための教材について問う書き込みが多数投稿されている。与えられた数値や求める数値など重要な情報に下線が引かれていたり、文節ごとに「/」記号を入れて「区切り読み」をサポートしたりする算数の教材が、保護者の間で人気を集めている。

 専門家は、スマートフォン世代が新聞や書籍から遠ざかり、文章を読むこと自体に困難を感じていると分析する。実際、国家データ庁が発表した「2025社会調査」によると、昨年1年間における13-19歳の青少年1人当たりの平均読書数は11.7冊で、2011年に統計を取り始めて以降、最も少なかった。成均館大学教育学科のヤン・ジョンホ教授は「読解力を十分に養わないまま高学年になり、問題文に『文脈』が加われば、最終的には学習の喪失につながりかねない」と指摘した。

キム・ドヨン記者、キム・ミンヒョク記者

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