社説
ホルムズ海峡への軍艦派遣を要求するトランプ大統領、韓国はどう応じるのか【3月16日付社説】
トランプ大統領は韓国、中国、日本、英国、フランスを名指しし、ホルムズ海峡への海軍艦艇派遣を事実上要求した。トランプ大統領はSNS(交流サイト)に「ホルムズ海峡から原油の供給を受ける世界各国は通路を管理すべきだ」と主張した。イラン攻撃開始後にトランプ大統領がイスラエル以外の国に作戦への参加を求めるのはこれが初めて。青瓦台(韓国大統領府)の関係者は「トランプ大統領の主張に注目している。韓米両国で緊密に協議を行い慎重に検討した上で判断する」とコメントした。
【写真】漂流中のイラン船舶乗組員を救助する韓国海軍の駆逐艦「王建」(2020年)
ホルムズ海峡は世界の原油流通量の20%が通過するが、イランはこの海域に機雷を設置しタンカーの通過を妨害している。ホルムズ海峡を通過する原油は37%が中国、14.7%がインド、12%が韓国、10.9%が日本に向かう。しかしイランは中国船籍のタンカーは攻撃せず、また中国はロシアなど他国から原油を確保することもできる。
トランプ大統領が名前を挙げた国のうち、ホルムズ海峡封鎖で最も大きな影響を受けるのは韓国と日本だ。韓国は原油輸入量の70%を中東に依存しており、うち95%以上がホルムズ海峡を通過する。現時点で韓国の原油・石油製品の備蓄は政府備蓄分が7648万バレル、民間7383万バレルでこれは合計208日分に相当する。しかし封鎖が長期化すれば韓国経済全体が大きな影響を受けるのは避けられない。
ホルムズ海峡の安全な航行は韓国の国としての生存に直結している。しかし軍事作戦に直接参加する場合、イランとの関係悪化が避けられないため慎重な対応が必要だ。ホルムズ海峡は狭く、距離も長いため、イランの攻撃を受けるリスクも大きい。そのため海軍も現場海域へ艦艇を派遣できないのが実情だ。
韓国は過去にも米国とイランの緊張が高まった2020年1月、アデン湾に派遣した清海部隊の作戦海域をホルムズ海峡にまで拡大し、韓国タンカーなどの護衛作戦を行った。米国が要請した協議体を通じてではなく、独自の作戦という形でイランとの関係悪化を最低限に抑えようとした。
トランプ大統領は中国以外の緊密な関係を持つ4カ国を名指しし軍の派遣を求めた。この要請に対する各国の対応を見極めた上で、同盟関係の再検討も行うだろう。韓国は関税をはじめ防衛費増額問題など米国とはさまざまな課題を抱えている。そのためホルムズ海峡への海軍派遣は韓米同盟、国益、イランとの関係など全てを考慮した上で、戦略的な観点から決定を下さねばならない。