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イラン南部の住宅地に対戦車地雷、米軍機が投下か…専門家「保有しているのは米国だけ」
米国が、戦争を繰り広げているイランに地雷を投下した疑いが浮上した。疑惑が事実であれば、地雷の使用は2002年のアフガニスタン戦争以来だという。
オープンソース調査組織の「べリングキャット」が27日に明らかにしたところによると、イラン南部の住宅地に散らばる地雷を捉えた画像が、最近ソーシャルメディアに載った。
【写真】米軍が投下した疑いが持たれている対戦車地雷
専門家らは、写真の地雷は米国の保有するBLU91/B対戦車地雷とみられる、と確認した。米国の保有する空中投下散弾型地雷埋設システム「ゲイター地雷散布システム(Gator mine scattering system)」を用いて、航空機から投下されたものとみられる―というのが専門家の説明だ。ただし、対人地雷のBLU92/Bの使用はまだ確認されていない。防衛産業界の関係者は「現在までに公開された画像証拠では、BLU92/Bは観察されていない」としつつ、「まだ見つかっていないだけということもあり得るし、民間人への危険を減らすために散布装置に対戦車地雷だけを搭載した状態だったということもあり得る」と語った。
この地雷を保有していることが分かっている国は米国だけだという。ベリングキャットは「この地雷は、米国がイランに対する武器供給を中断した後に開発された」「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の武器移転データベースと米国の主な武器販売記録を検討した結果、この地雷がイスラエルに移転された記録もない」と指摘した。
ワシントン・ポスト(WP)紙によると、米軍が実戦で散布型対戦車地雷を最後に使用したといわれる事例は、1991年の湾岸戦争だ。対人地雷の最後の使用事例は2002年のアフガニスタン戦争のときだと伝えられている。今回の地雷投下が事実であれば、およそ24年ぶりの地雷使用ということになる。
イランの半国営メディア「タスニム通信」は、BLU91/Bと推定される写真と共に「米国とシオニスト勢力の新たな犯罪が一部地域で発生した」「戦闘機を利用して爆発物のパッケージを散布し、そのパッケージは缶詰のような形をしていて、開けると爆発し、人命被害を生む爆発物を収めている」と主張した。
地雷は、イランの弾道ミサイル基地の近くで発見された。このため、イランの移動式発射台(TEL)の動きを遮断し、ミサイル基地へのアクセスを困難にしようとして投下した可能性が浮上している。軍需・武器研究機関「アーマメント・リサーチ・サービス」のN・R・イェンゼン・ジョーンズ所長は、べリングキャットの取材に対して「この地雷は、いわゆる『ミサイル・シティ』に車両が接近したり、そこから出たりすることを防ぐために使用された可能性がある」とし、「こうすればTELが外に出るのを防ぐことができ、施設へのアクセスを復旧しようとする作業も困難にできる」と語った。
「アムネスティ・インターナショナル」のシニア・クライシス・アドバイザーを務めるブライアン・カストナー氏は、WP紙の取材に対して「これらの地雷は装甲車両を狙ったものだが、民間人にも依然として極度に危険といえる」「対戦車地雷は磁気信号を感知すると爆発するように設計されてはいるものの、民間人がこれを移動させる過程で爆発するケースもある」「また、この装置には自爆機能もあり、投下されてから数時間後、もしくは数日後に自動で爆発することもあり得る」と語った。
「ヒューマンライツ・ウォッチ」ワシントン支部のセラ・ヤガー支部長は「もし事実であると確認されたら、民間人の死亡や負傷を招く米軍のゲイター地雷散布システムの使用は、数十年にわたるこうした武器禁止の努力がむやみに覆されてはならない理由は何かということを正確に示すもの」と語った。
ただし、イラン攻撃を主導している米中央軍(CENTCOM)は、地雷を使用したかどうかについての問い合わせに回答しなかった。
パク・ソンミン記者