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 【NEWSIS】ホルムズ海峡封鎖が世界のエネルギー市場において単なるショックの次元ではなく、今後「食料危機」に拡大するとの懸念が出始めている。

 英フィナンシャル・タイムズが21日(現地時間)に報じた。それによるとガス価格の上昇で肥料生産が減少し、また食料関連以外の産業が原材料や物流を独占しているため、農業分野が世界的サプライチェーンから締め出されつつあるという。

【グラフ】ロンドン・東京より高いソウルの食料品価格

 ホルムズ海峡は世界の原油と液化天然ガス(LNG)輸出の5分の1、肥料貿易の約3分の1を占める海上交通の要衝で、エネルギーはもちろん食料生産の分野でも重要な位置を占めている。

 独立系石油商社最大手VitolのLNG部門でグローバル責任者を務めるパブロ・ガランテ・エスコバル氏によると、イランで戦争が始まった2月末以降、LNG需要減少分の約40%を工場、とりわけ肥料生産工場が占めているという。窒素の主な原料のもととなる天然ガスの供給が減り、肥料生産が中断、あるいは急激に減少しているためだ。これは今後の食料生産減少や食料価格の高騰につながる恐れがある。

 エスコバル氏は「われわれは今問題を先送りしているだけで、この状況は持続可能ではない」「エネルギー危機が食料危機につながる恐れがある」と警告した。

 イラン戦争から始まった物流の混乱はパナマ運河にまで影響が出始めている。アジアでの石油需要が中東産から米国産に移り始めたことで、運河の通行権を巡る競争が激しくなっているのだ。

 英国の造船・海運分析機関クラークソンによると、タンカーを所有する資金力のある企業は数百万ドル(数億円)を支払って運河通過の優先権を手にしているが、穀物など低付加価値の貨物を積んだバルク船は後回しにされているという。現在バルク船が運河を通過するために待機する時間は40日に達しており、一部では穀物運賃がすでに50-60%上昇している。

 専門家は「肥料などの供給不安が長期化する可能性は今も市場に十分反映されていない」と指摘する。世界最大の穀物メジャー、ルイ・ドレフュスの最高リスク責任者ビジェイ・チャクラバルティ氏は「市場は今回の戦争による影響を過小評価している」と懸念を示した。

 チャクラバルティ氏は「今の戦争が今後6カ月持続すれば、それだけで2027年の食料生産に影響が出るかもしれない」と警告し「肥料の原料となる硫黄などが銅精錬など高付加価値産業に優先的に使われるなど、肥料メーカーはサプライチェーンから締め出されている」と指摘した。

パク・ミソン記者

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