韓中関係
中国空母の庭と化した韓中暫定水域…昨年は8回も韓国側に進入【独自】
中国の航空母艦が昨年一年間で8回も韓国側管轄水域に入り込んでいたことが4月28日に確認された。韓国軍の合同参謀本部(合参)の資料がある2020年以降、最も回数が多く、「『大洋海軍』建設を目標にしている中国が太平洋進出を試みつつ西海を『内海化』しようとしている」という懸念が強まっている。
保守系最大野党「国民の力」に所属する庾竜源(ユ・ヨンウォン)議員=韓国国会国防委員会=のオフィスが合参から受け取った資料によると、中国の空母は昨年、8回も韓国側管轄水域に入っていた。2020年の2回から、22-24年はそれぞれ7回、5回、6回を記録していたところ、25年はさらに増えた。また、今年第1四半期にも中国の空母が韓国の管轄水域に入った。ムン・グンシク漢陽大学特任教授=予備役海軍大領(大佐)=は「韓国に対する『武力の誇示』という目的も大きいだろう」と語った。
管轄水域とは、沿岸国が主権また主権的権利を行使する区域のことで、領海と排他的経済水域(EEZ)、大陸棚などを含む。韓国の管轄水域の正確な境界線は、韓国軍の保安上の問題により公開されていないが、韓国のEEZの境界線内外に設定されているという。国連海洋法条約では、沿岸国はEEZと大陸棚を探査・開発する主権的権利を認められるが、他の全ての国の船舶もここを自由に航行できる。
ただし、外国の軍艦が韓国の管轄水域に入ったら、韓国海軍が監視に乗り出す。韓国海軍は、中国の空母が韓国の管轄水域に入った瞬間からレーダーでリアルタイムの監視・追跡を行い、海に浮かんでいる警備艦を動かして警戒態勢を取るといわれている。
この海域における中国の軍艦や軍用機の活動も増えている。中国の軍艦による韓国側管轄水域への進入は、2024年の時点ではおよそ330回だったが、昨年はおよそ350回で、20回ほど増えた。中国の軍用機が韓国の防空識別区域(KADIZ)に入り込むケースも、24年のおよそ90回から、昨年はおよそ100回に増えた。
合参によると、今年第1四半期には中国海軍の軍艦が泰安半島沖にある格列飛列島の「西格列飛島」北西で、韓国領海までおよそ50キロのところまで接近したという。庾竜源議員のオフィスの分析によると、これは瑞山空軍基地からおよそ140キロ、烏山空軍基地と平沢のキャンプ・ハンフリーズからおよそ180キロの距離となる位置だ。電波・電子情報の信号で韓米連合軍の活動を感知できる範囲なのだ。
中国の空母や他の軍艦の進入が相次ぐのは、西海を「内海化」して太平洋へ進出しようとする中国の計画と密接な関連がある、と専門家らは分析している。中国は2012年に初の空母「遼寧」を就役させた後、19年に2隻目の空母「山東」、昨年には3隻目の空母「福建」を順次就役させた。現在も、満載排水量11万-12万トン級の原子力空母を建造中だ。
米国は、中国の影響力を九州・沖縄から台湾・フィリピンまでを結ぶ「第1列島線」内で遮断しようとしている。逆に中国は、第1列島線の内側を自国の「内海」のようにして、伊豆諸島とグアムを結ぶ「第2列島線」を突破して太平洋に進み出ようという戦略を持っている。昨年6月に遼寧と山東が初めて第2列島線を越えて西太平洋に進出し、昨年12月には福建が初めて台湾海峡を通過した。米国防総省は、中国が2035年までに空母9隻を確保し、11隻を持つ米国との格差を縮めようとするだろう、と見込んだ。
庾竜源議員は「急激に成長している中国海軍と直接対峙している韓国軍も、これに対する備えの整備が急務だ」と指摘し、「原子力潜水艦やKDDX(韓国型次期駆逐艦)の配備など、韓国海軍の戦力増強を速やかに推進する必要がある」と語った。合参は「韓国軍は中国の軍艦の活動を綿密に監視・追跡し、国際法を順守する中で中国の軍艦の活動に対して積極対応している」とコメントした。
クォン・スンワン記者