▲運転中に警察官に呼び止められたケースリン・トーマスさん。/写真=インスタグラムより

 【NEWSIS】米国で、生まれつき右手のない女性が「運転中に右手で携帯電話を操作していた」というあり得ない理由で警察の取り締まりに遭うというハプニングがあり、話題になっている。この警察官は、女性の腕を目の前で確認したにもかかわらず反則金を科した。しかし現場のボディカメラの映像がSNS(交流サイト)で拡散されたため、法廷での攻防に移る直前に起訴を取り下げた。

 米CBSニュースが5月28日(現地時間)、報じた。それによると、フロリダ州レイクワースに住むケースリン・トーマスさん(36)は今年2月、運転中にパームビーチ郡保安官室所属の警察官に停車を求められた。

 警察官はトーマスさんの車に近づいてくると「運転しながら右手で携帯電話を操作するのをはっきりと見た」と主張した。

 これに対し、トーマスさんは困惑したような笑みを浮かべ、右腕を上げて見せた。トーマスさんは生まれつき右腕の肘から先がなく、自分の腕がどうなっているかを警察官に見せたのだ。

 トーマスさんは「初めは誤解によるハプニングだと思い、笑ってしまった」と当時の状況を振り返った。しかし警察官は謝るどころかあり得ない要求を突き付けてきた。

 警察官はトーマスさんに「携帯電話を触っていなかったと神様に誓って明言できるのか」と詰め寄った。これに対し、トーマスさんは肘から先のない自分の右腕を挙げて警察官に見せたが、警察官はそれを無視して「あなたの唯一の手である左手を挙げて誓ってみろ」と指示した。

 トーマスさんは「右手を挙げたけれど、警察官はそれでは十分ではないと考えたようだ」「呼び止められた当時は余裕がなかったけれど、後でボディカメラの映像を確保して確認したところ、侮辱感と不快感を覚えた」と明かした。

 警察官は、トーマスさんに右手がなく携帯電話の操作ができないということを確認した後も、主張を曲げなかった。最終的に警察官はトーマスさんに116ドル(約1万8500円)の反則金ステッカーを発付した。

 不本意だったトーマスさんは、情報公開請求を通じて現場のボディカメラ映像を確保し、自身のSNS(交流サイト)で共有した。映像はあっという間に数百万回以上再生され、ネット上に怒りが渦巻いた。

 波紋が拡大すると、警察はようやく反則金を取り消した。

 トーマスさんは「SNSを通して気づいたのか自分で気づいたのか、とにかく警察官も自分が誤っていたことが分かったようだ。裁判まで行かずに済んでよかった」と話した。

 さらに「警察官は悪意を持っていたのではなく、身体的に異なる人間に対する教育を受けていなかったのだと思う」として「今回の出来事をきっかけに、他者に対する理解が社会的に高まることを願う」と話した。

 これに関連し、パームビーチ郡保安官室は声明で「当時、警察官は視覚的な観察を基に取り締まりを実施していた」「その後、州の法律をあらためて確認し、取り締まりシステム上の違反事項表記にあいまいな点があるなど全体的な状況を考慮して反則金を取り消した」と釈明した。

ソ・ヨンウン記者

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