経済総合
犬肉禁止が来年に迫る中… 補身湯の価格が2倍に
韓国の暦で最も暑い時期とされる「三伏」の始まりである「初伏」まであと五日と迫った10日の正午、ソウル市鍾路区のある補身湯(犬肉の鍋料理)店は閑散としていた。本格的な暑さが始まるこの時期になると「門前市を成す」ような状態だったころとは様変わりしていた。今年は韓国で犬肉を合法的に食べることができる最後の年だ。2024年2月に制定された「犬食用終息法」に基づき、来年2月7日から犬を食用目的で飼育したり、流通・販売したりする行為が全面禁止されるからだ。補身湯店の店主であるカンさんは「まだ犬食用終息法が全面施行されていないにもかかわらず、客は犬肉の販売が禁止されたと誤解しているようだ」と語った。
【写真】法案に反対…犬肉試食パフォーマンスを行う「大韓育犬協会」のメンバーたち(2019年7月)
犬肉の卸売価格が急騰し、補身湯の価格が半年間でおよそ2倍に跳ね上がったことも、客足が遠のいた原因のようだ―と補身湯業者らは言う。実際に鍾路区の補身湯店では、昨年12月に1杯1万2000ウォン(現在のレートで約1290円。以下同じ)で販売していたが、現在は2万5000ウォン(約2700円)まで値上がりしている。流通業界によると、昨年12月まで1キロ当たり2万-3万ウォン(約2150-3230円)のラインを維持していた犬肉の卸売価格は、ここ数カ月の間に大きく跳ね上がり、8万ウォン(約8620円)を超えた。京畿道議政府市で16年間、補身湯店を営んできたパクさん(70)は「原材料価格が4倍も上昇し、補身湯の価格を上げざるを得なかったが、値上がり分を客にすべて転嫁することはできないので、売っても手元に残る利益はほとんどない」とした上で、「客がいなくても心配、多くても心配という有様」と話した。
犬肉の価格が大幅に上昇した理由は、韓国各地の食用犬飼育農場がほとんど門を閉じたためだ。農林畜産食品部(省に相当。農林部)の統計を見ると、2024年10月の時点で1537カ所あった韓国の犬飼育農場は、2025年12月には333カ所に減少した。今年に入ってさらに61カ所が廃業した。2年足らずで全農場の82%が門を閉じたことになる。農場の廃業が相次ぐ中、食用犬の数も急減した。2024年5月の飼育農家申告当時は約46万頭いた全国の食用犬の数は、現在では2万から3万頭という水準にまで落ち込んでいる。
補身湯店はヨムソタン(ヤギ肉の鍋料理)の販売業へと転換している。実際にここ数年間、ヤギ肉を求める人は増えているという。農林部によると、韓国国内のヤギ肉消費量は2020年の6328トンから2024年には1万3708トンへと2倍以上に増加した。