9月22日に日本女子プロゴルフ(JLPGA)ツアーのデサント・レディース東海クラシックが幕を閉じた。賞金ランキングでトップを走る申智愛(シン・ジエ)=31=は、前日まで3打差で単独首位を守っていたが、最終日に痛恨の2ボギーで逆転を許した。最終日に八つスコアを伸ばした今年の全英女子オープン・チャンピオン、渋野日向子(21)が優勝に輝いた。ホールアウト後、申智愛のインスタグラムには左足の親指と足首に..
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9月22日に日本女子プロゴルフ(JLPGA)ツアーのデサント・レディース東海クラシックが幕を閉じた。賞金ランキングでトップを走る申智愛(シン・ジエ)=31=は、前日まで3打差で単独首位を守っていたが、最終日に痛恨の2ボギーで逆転を許した。最終日に八つスコアを伸ばした今年の全英女子オープン・チャンピオン、渋野日向子(21)が優勝に輝いた。ホールアウト後、申智愛のインスタグラムには左足の親指と足首にテーピングをした写真が次のような書き込みとともに掲載された。「自分自身によく頑張ったと言ってやりたいです。また次を目指して準備します。今週も幸せでした」
日本で今年優勝3回、準優勝5回に輝いた申智愛は、手首の負傷で7月の1カ月間を休養に充てたが、復帰後には足首も痛めた。それでも、9月27日から開催されているダンロップ女子オープンをはじめ、残りの10大会のうち8大会に参加する予定だ。韓国(2006-08年)、米国(09年)に続き、日本ツアーの賞金王を初めて獲得するという目標が目前に迫っているからだ。申智愛は、同僚から運動中毒と言われるほどトレーニングに全力を尽くしてきた。インスタグラムには、たこができ、水ぶくれになった手の写真が数多く掲載されている。
2010年の世界ランキングトップ。一時は頂点にまで上り詰め、その後高座から下ってきて以降は、小さな舞台へと活躍の場を移した。申智愛は、なぜ新しい目標達成に全てを注ごうとするのか。9月25日に電話インタビューした申智愛は「目標も意欲も全て失って以降、困難の中、久しぶりに見つけ出した目標であるだけに、何としても成し遂げたいと思っている」と答えた。
申智愛のインスタグラムを見ると、「勝って幸せ、負けても感謝」だ。ゴルフはもちろんのこと、家族や友人、趣味など、さまざまな人間関係や生活の中で幸せと感謝を探し出し、そしてつづっている。「私はもともと小さな幸せを見つけるのが大好きです」と言いながら、申智愛は笑みを浮かべる。苦しい環境の中で血と汗と涙の努力の揚げ句に成功した韓国での申智愛、頂点の栄光とスランプの苦杯を共に経験した米国での申智愛、そして今では日本での生活が6年目となり人間的にもさらに成長した、新たな申智愛の姿があった。
「あまりにも幼くして夢を達成してしまいました。新しい夢にチャレンジすると、以前のように苦労することが目に見えていたので、しばらくの間は一切目標も立てませんでした」。申智愛は「周囲の期待をよそに、人生で自分の思い通りに作り上げていくことができるものがあるとすれば一体何なのか、それが知りたかった」と言う。2014年に米国から日本にツアーを移した理由の一つだった。
日本ツアーでの成績は、2014年に4勝(賞金ランキング4位)、15年に3勝(同3位)、16年に3勝(同2位)、17年に2勝(同5位)、18年に4勝(同2位)だ。毎年もう少しのところで賞金ランキングトップになれるところまで善戦するものの、結局は手にすることができなかった。「射程圏内に入ってくるため、欲望が大きくなり、力んでしまうのが問題」と自己分析する。「現在は左足の負傷がスイングに影響を与えていますが、むしろ力を抜くにはこれくらいがちょうどいいと思っています。私は塞翁之馬(さいおうのうま)という四字熟語が好きです」
申智愛のライバルたちは、10歳も幼い日本の1998年生まれの「黄金世代」だ。この世代は9年前、世界トップの申智愛の最大のライバルの一人だった宮里藍(34)を見ながら育った。その代表選手が渋野日向子だ。渋野日向子は賞金ランキング2位(1億643万円)で、申智愛(1億1652万円)を猛スピードで追い上げている。申智愛は「器用で勇気のある友人」と「黄金世代」について語る。「大会の最中でも私に直接近づいてきて、『こういうショットはどうやって打つんですか』『こういう場合はどんな心構えで臨むんですか』などと質問してきます。これまでは両親やエージェントを通じて連絡を取り合っていたんです」。次いで「日本特有の安定したスタイルをこれらの世代が変えている」とした上で「皆がさまざまなプレーを見せてくれるので、私も自然と分析するようになる」という。
申智愛は「これまでどれだけ多くの方々が私と共に歩んでくださったのかが分かったとき、心が変わった」とし「ゴルフが本当に好きになって、今後もますます好きになると思う」と言った。20年以上もゴルフだけにエネルギーを注いできた人が言える言葉だろうか。「私はゴルフが不思議でなりません。その小さなボールをスイングして打って目標の場所に飛ばすというその行為がです。飛んでいくボールだけを眺めていても気分がいいんです」。初心を取り戻すという最も難しいことをやり遂げた申智愛は、今後何でもやりこなしていくことだろう。
チェ・スヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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