▲イラスト=UTOIMAGE
イタリアの裁判所がこのほど、17歳の女子生徒の体を触った学校職員に無罪を言い渡し、論議を呼んでいる。問題の職員が女子生徒に触れた時間は10秒足らずで、犯罪は成立しないとの判断だ。現地女性はソーシャルメディアに自分の胸を10秒間つかむ映像を載せ、今回の判決に抗議している。
【写真】10秒間自分の胸をつかんで抗議する女性たち…SNSに投稿された動画
英BBCは12日、イタリアの裁判所が性的嫌がらせの..
続き読む
▲イラスト=UTOIMAGE
イタリアの裁判所がこのほど、17歳の女子生徒の体を触った学校職員に無罪を言い渡し、論議を呼んでいる。問題の職員が女子生徒に触れた時間は10秒足らずで、犯罪は成立しないとの判断だ。現地女性はソーシャルメディアに自分の胸を10秒間つかむ映像を載せ、今回の判決に抗議している。
【写真】10秒間自分の胸をつかんで抗議する女性たち…SNSに投稿された動画
英BBCは12日、イタリアの裁判所が性的嫌がらせの罪で起訴されたローマの高校管理職員アントニオ・アボラ被告(66)に無罪を言い渡したと報じた。
アボラ被告は昨年4月、校舎の階段で友人と一緒にいた17歳の女子生徒のズボンをずり下ろし、尻を触ったとして起訴された。検察は被告に禁錮3年6月を求刑した。被告は学生の体に触れた事実を認めながらも「冗談だった」と主張した。
現地の裁判所は「行為が続いた時間は10秒未満だった」とし、接触時間が長くないため、犯罪構成要件を満たしていないと判断した。同時に「触った時間が短いのは、性的欲求のない行動とみられる」と話した。
被害を受けた生徒は「裁判官は被告の行動をいたずらと判決したが、私はそうは思わない」とし、「彼は何も言わずに私の後ろに近づき、ズボンと下着の中に手を入れ、尻を触った」と話した。その上で「被告の行動は高齢者が10代をからかおうとした行動ではなかった」とし、今回の判決でまた別の被害者が出ることを懸念した。
動画投稿アプリのTikTokやインスタグラムにはイタリア語で「10秒」、「ちょっとなでる」というハッシュタグと共に今回の判決に抗議する映像が相次いで投稿されている。映像で女性たちは何も言わずにカメラを眺めながら自分の胸を10秒間つかんでいるが、これは10秒がどれほど長い時間なのかを見せることが目的だという。映画俳優のパオロ・カミリさんをはじめ、2940万人のフォロワーを持つファッションブロガー、キアラ・フェラーニさんなども加わった。
ある男性は女性の尻を触った後、時間を測り10秒になる前に手を離す風刺映像を投稿した。インフルエンサーのフランチェスコ・チコネッティさんは「10秒が長い時間かどうかはいったい誰が決め、嫌がらせを受けている間、誰が時間を測るのか」とし「5秒か10秒かではなく、たった1秒でも女性の体に触れる権利はない」と主張した。同時に「今回の判決はイタリアでセクハラがいかに常態化しているかを示したものだ」と話した。
欧州連合(EU)の欧州基本権機関(FRA)がまとめた資料によると、2016年から21年までにハラスメント被害を受けたイタリアの女性の70%は捜査機関に届けさえ出さなかったという。
チェ・ヘスン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com