「うわー」「話にならない」「どういうことだ」
21日午後4時21分、おえつと悲鳴がソウル汝矣島の国会前の通りを埋め尽くした。金振杓(キム・ジンピョ)国会議長が「国会議員・李在明(イ・ジェミョン)の逮捕同意案可決」を宣布すると、李代表の熱心な支持者から成るデモ隊は過激な行動を開始した。
【写真】「開けろ!」「警察の犬め」 鉄網シャッターを挟んで警察と対峙する李在明代表の過激支持者たち
デモ隊は午前1..
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「うわー」「話にならない」「どういうことだ」
21日午後4時21分、おえつと悲鳴がソウル汝矣島の国会前の通りを埋め尽くした。金振杓(キム・ジンピョ)国会議長が「国会議員・李在明(イ・ジェミョン)の逮捕同意案可決」を宣布すると、李代表の熱心な支持者から成るデモ隊は過激な行動を開始した。
【写真】「開けろ!」「警察の犬め」 鉄網シャッターを挟んで警察と対峙する李在明代表の過激支持者たち
デモ隊は午前10時から国会前で威力デモを続けていた。李代表系列の「ザ民主全国革新会議」などが国会前の六つの道路を占拠し「李在明守護10万人集会」を開催したが、これには約1万2000人(警察推計では約4000人)が集まったという。帽子から運動靴まで共に民主党のシンボルカラーの青一色でそろえたデモ隊は「李在明に罪はない! 逮捕同意案を否決し尹錫悦(ユン・ソンニョル)を追放しよう!」などと6時間以上にわたり叫びながら採決を待った。デモ隊は「天は正義の者を助ける」「われわれ全員が必死で戦ったので、『可』に投票する考えの議員たちも考えを変えたはずだ」と訴えた。
しかし「逮捕同意案可決」が伝えられると、一部のデモ参加者は肩を揺るがしながら泣き叫んだ。当初デモ参加者らは可決になれば愛国歌(韓国の国歌)を歌う予定だったが、実際に可決されるとわれを忘れた表情でその場に座り込んだ。するとデモ隊のトラックから運動圏(左派の市民学生運動勢力)の歌「ニム(あなた)のための行進曲」が流れた。司会者がマイクで「皆さん、当惑する結果が出ましたが、泣くのはやめましょう。今一番つらいのは李在明代表です」「今から韓東勲(ハン・ドンフン)=法務部長官=の自宅に行き髪の毛をつかんで引きずり出しましょう」と叫んだ。司会者はさらに「皆さん、今から国会を取り囲みましょう! 同意したやつらが何を言うのか聞いてみましょう! 共に民主党を根底から覆す『スバク』との戦争のため国会に向かいましょう!」と呼びかけた。スバクとはスイカのことで、ここでは共に民主党の非李在明代表系列の議員らを意味する。可決から10分後のことだった。
これに対して警察と機動隊は国会につながる道路をバリケードでふさいだため、デモ隊は地下鉄9号線の国会議事堂駅に続く地下に降りていった。国会につながる1番出口と6番出口を使おうとしたが、これも警察が可決直後から鉄網シャッターで封鎖したため侵入はできなかった。興奮したデモ隊は閉じられたシャッターを揺らしながら「開けろ!」「警察の犬め」などと罵声と怒号を浴びせた。一部はシャッターを破って侵入しようとしたが、機動隊に制圧された。一人のデモ参加者が警察官を暴行し、現行犯(公務執行妨害)でその場で逮捕された。可決から30分後のことだった。
怒りが収まらないデモ隊は国会議事堂駅近くの共に民主党ビルに向かった。「スバクを剔抉(てっけつ、えぐり出すこと)せよ」「李在明を守り抜け」などと書かれた大きい旗を手に集まったデモ隊は、すでにビルの入り口を封鎖していた機動隊と再び衝突した。「この犬め、恥を知れ」「皆殺しにしてやる」などと罵声を浴びせながら機動隊を押しのけ建物に入ろうとすると、永登補警察署員が「皆さんは今集示法(集会および示威に関する法律)違反・公務執行妨害などの不法行為をしている」と拡声器で繰り返し警告した。デモ隊は「(共に)民主党/犬野郎/スバク/犬野郎」などと連呼しながら機動隊ともみ合いになった。可決から2時間ほど過ぎ日が沈むと、歌手・楊姫銀(ヤン・ヒウン)氏の歌「常緑樹」の「最後は勝つでしょう」の歌詞が流れ、暗闇の中からデモ参加者の一人が「皆さん、絶望してはいけません! まだ裁判が残っています!」と呼びかけた。直後に100人以上のケッタル(李在明代表の過激な支持者)が午後7時から共に民主党ビル前でキャンドル集会を始めた。
別の怒り狂ったデモ参加者らは執拗(しつよう)に国会への侵入を試みた。「共に民主党議員と約束がある」と訴える彼らに警察は「立ち入り許可証が必要だ。今議員に電話して約束を証明すれば国会内に入れる」と説明した。同じようなやりとりが繰り返されるとデモ隊は「警察の犬め、次に俺たちが政権を取ればお前らはみんな死ぬぞ」と大声で脅した。
反李在明集会も同じ日に同時に行われた。新自由連帯など保守系の団体は「ケッタル集会」からわずか10メートル離れた場所で反対集会を開いた。出席者は30人ほどだったが、拡声器で何度も「李在明を拘束しろ! みんな全て拘束だ!」と録音された声を流し続け李代表の支持者らに対抗した。彼らは採決直前まで警察が設置した規制テープを間に挟んでケッタルと対峙(たいじ)していたが、可決が伝えられると「事必帰正」(万事が必ず正しい道理に帰する、韓国のことわざ)と叫びながら飛び上がって喜んだ。
警察はこの日、国会議事堂駅や共に民主党の建物など汝矣島周辺で約60部隊・3700人以上の機動隊員を動員し警戒に当たった。汝矣島の主要な道路は規制され、また地下鉄9号線の国会議事堂駅も大混乱に陥ったため通勤する一般市民に大きな影響が出た。
ヤン・ジヘ記者、ソ・ポボム記者、チョン・ヘミン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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