韓国政府は21日、中国が西海暫定措置水域(PMZ)に一方的に構造物を設置したことについて「外交当局などと共に相応の対応案を検討している」と述べた。中国が構造物を撤去しなければ、韓国も西海(黄海)に対抗的な性格を持つ構造物を設置する可能性があるということだ。これに関連し、韓国政府は23日にソウルで第3回韓中海洋協力対話を開き、こうした問題について協議する予定だが、中国は撤去要求に事実上拒否の意向を..
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韓国政府は21日、中国が西海暫定措置水域(PMZ)に一方的に構造物を設置したことについて「外交当局などと共に相応の対応案を検討している」と述べた。中国が構造物を撤去しなければ、韓国も西海(黄海)に対抗的な性格を持つ構造物を設置する可能性があるということだ。これに関連し、韓国政府は23日にソウルで第3回韓中海洋協力対話を開き、こうした問題について協議する予定だが、中国は撤去要求に事実上拒否の意向を表明しているとのことだ。
韓国海洋水産部(省に相当)の康徒衡(カン・ドヒョン)長官は同日の記者会見で、中国が無断設置した構造物について「今回の事案は『海洋領土を守る』という姿勢で非常に重く見ている」「相応の措置を含め、実効可能な部分について考えている」と述べた。また、「相応の措置」については「どのような水準で、どのような施設物で中国側に相応の対応をするのが適切なのか、部処(省庁)間で共同協議しているところだ」と説明した。
PMZは両国の排他的経済水域(EEZ)が重なり、境界線を引いていないデリケートな水域であるため、漁業以外の施設物の設置や資源開発などは禁止されている。韓国政府は特に、中国がボーリング船を改造してPMZの西側に設置した海上固定式の構造物については、具体的な事実関係を追及するものと予想される。中国は「構造物計3基のうち2基は養殖場『深藍1号と2号』で、残りの1基は深藍の管理施設だ」と主張している。今年2月に中国が韓国の海洋調査船の航行をゴムボートで妨害して対峙(たいじ)するなど、緊張感が高まっていることについても、韓国政府は再発防止策について協議するものとみられる。
韓国政府は、これまで中断していた境界線交渉を再開させる必要性も強調する方針だ。西海の水域のほとんどで「海の国境線」である境界線が決まっているが、PMZは両国のEEZが重なっているため、境界画定を見合わせている状態だ。韓国政府では、PMZの境界線を明確にできない限り、構造物設置や中国漁船の違法操業問題は解消されないと考えている。
中国は、2014年までは「海洋境界画定は両国関係の長期的・安定的発展に非常に重要だ」として肯定的な姿勢を見せていたが、その後、習近平国家主席の「海洋掘削」方針に基づいて見解を変えたと言われている。境界画定交渉に積極的でなく、「しよう」と言ったとしても国際的な慣例に反する交渉方式を求めているのだ。韓国政府は境界画定の際に国際的な慣例である「等距離原則」を適用すべきだとしている。両国の海岸線の中間線を境界にしようということだ。しかし、中国は領土面積や海岸線の長さといった各事項を考慮して境界を定めるべきだという「衡平原則」を求めている。中国は領土面積が広く、人口も多いので、海域についても相手側より広く占有するのが妥当だという主張だ。外交筋は「衡平原則は中国を中心とする発想で、国際社会ではほとんど通用しない」とした上で「中国もこれを知っているため、国際慣例による境界画定交渉を拒否している」と分析している。
韓国政府は、中国が時間稼ぎをして境界画定を先送りしている間に、構造物設置・軍事訓練活動で境界未画定水域における実質的な海上支配力を確保しようとしているものと疑っている。中国がPMZで構造物の設置を増やしているのも、今後の境界線交渉で有利な立場に立つための「布石」だということだ。韓国与党・国民の力のユ・ヨンウォン議員は「西海は首都圏や在韓米軍基地が隣接している大韓民国の安保核心海域だ。相互主義により行動をもって積極的に対応しなければならない」と語った。
盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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