▲奈良国立博物館の館長室で今回の展示のポスターをバックにたたずむ井上洋一館長。/ホ・ユンヒ記者
韓日関係の未来は、この展示に答えがある。日本の奈良県にある奈良国立博物館で開催中の特別展「超 国宝-祈りのかがやき-」だ。奈良国立博物館が開館130年を迎え、日本中にある国宝の数々が集められた。博物館で会った井上洋一館長(69)は「国宝を生み出した先人たちの深い思いを込めて、文化のともしびを次の世代につなぐために奈良博物館が踏み出す新たな一歩」と展示の意味を説明した。
【写真】百済の王が倭..
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▲奈良国立博物館の館長室で今回の展示のポスターをバックにたたずむ井上洋一館長。/ホ・ユンヒ記者
韓日関係の未来は、この展示に答えがある。日本の奈良県にある奈良国立博物館で開催中の特別展「超 国宝-祈りのかがやき-」だ。奈良国立博物館が開館130年を迎え、日本中にある国宝の数々が集められた。博物館で会った井上洋一館長(69)は「国宝を生み出した先人たちの深い思いを込めて、文化のともしびを次の世代につなぐために奈良博物館が踏み出す新たな一歩」と展示の意味を説明した。
【写真】百済の王が倭国の王に贈ったとされる「七支刀」や奈良・法隆寺の「百済観音」
展示の最初と最後を飾る「百済」は、だからこそ一層特別な意味を持って迫ってくる。国宝112点、重要文化財16点など、合わせて143点に上る出品作品のうち、高さ210センチに達するすらりとした仏像「百済観音」が入り口に展示され、百済王が倭国の王に贈った「七支刀」が最後を飾っている。井上館長も、韓国からの来場者にぜひ見てほしい作品として、この2点を挙げた。
井上館長は「七支刀は韓国と東アジアを考える上で非常に貴重な資料だ」として「1600年を超えて守られてきた超国宝を近くで見られるというだけでも、めったにない機会になるでしょう」と述べた。「百済観音は私もとても好きな作品です。見ているだけで心が安らぐんです。日本で作られた仏像で、『百済観音』という名前は後から付けられたものですが、それだけ韓国と日本が近い関係だということを示している作品なので、韓国から多くの方々が訪れてご覧いただければうれしいです」
井上館長は博物館で40年のキャリアを持つベテランの博物館マンだ。専攻は日本の考古学。東京国立博物館の副館長を経て、2021年4月に奈良国立博物館の館長に就任し、このほど任期が4年延長された。文化界の代表的な親韓派としても知られている。韓国国立中央博物館の館長を務めた李栄勲(イ・ヨンフン)氏や閔丙賛(ミン・ビョンチャン)氏など、韓国の博物館関係者とも非常に親しい間柄だ。井上館長は「韓国の国立博物館の方々とさまざまな交流を続ける中で、自国の文化を守ろうと努力する姿に感動した」として「若い世代とも活発にコミュニケーションを取りながら、韓国の素晴らしい文化を国内外に広く伝える姿を見て、自分も学ばなければという思いを抱いてきた」と語った。
今回の展示では、仏教および神道の美術に特化した作品が厳選されている。普段は公開されない日本の寺の秘仏も多数出品された。唐の檀像彫刻(白檀などの香木を用いた仏像彫刻)に由来する造形技法が目を引く国宝「菩薩半跏像(ぼさつはんかぞう)」や、唐の僧侶・鑑真が日本にもたらした舎利を納めた国宝「金亀舎利塔(きんきしゃりとう)」など、中国との緊密な関係を示す作品の数々も見ることができる。16年に韓国国立中央博物館で開催された「韓日国宝・半跏思惟像(はんかしゆいぞう)の出会い」展で、韓国の金銅半跏思惟像と共に展示された奈良・中宮寺の木造半跏思惟像も、20日から始まる後期展示に登場する。
井上館長は「展示のタイトルとなった『超国宝』には、とびきり優れた宝という意味に加えて、時空を超えて先人から受け継いだ永遠の美しさや、次の世代へ文化を継承しようとする多くの人々の心、そういうものも全てがかけがえのない宝であるという思いを込めました」とした上で「戦争や自然災害で混乱した時期に展示会場を訪れてくださった一人一人の心の中に、輝く美しさが広がることを願っています」と述べた。展示は6月15日まで。
奈良=ホ・ユンヒ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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