▲李昌洙・ソウル中央地検長
進歩(革新)系の「共に民主党」に所属する李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補および金建希(キム・ゴンヒ)前大統領夫人の捜査を進めていた李昌洙(イ・チャンス)ソウル中央地検長と趙相元(チョ・サンウォン)中央地検第4次長検事が20日、法務部(省に相当)に辞意を表明した。二人に対する韓国国会の弾劾訴追案が憲法裁判所で棄却されて業務に復帰してから、わずか2カ月での辞意表明だ。
二人は20日、法務部に「健..
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▲李昌洙・ソウル中央地検長
進歩(革新)系の「共に民主党」に所属する李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補および金建希(キム・ゴンヒ)前大統領夫人の捜査を進めていた李昌洙(イ・チャンス)ソウル中央地検長と趙相元(チョ・サンウォン)中央地検第4次長検事が20日、法務部(省に相当)に辞意を表明した。二人に対する韓国国会の弾劾訴追案が憲法裁判所で棄却されて業務に復帰してから、わずか2カ月での辞意表明だ。
二人は20日、法務部に「健康上の理由で辞職したい」という意向を伝えたが、辞表が正式に受理されるまでは正常に勤務するものと伝えられている。
李地検長は、水原地検城南支庁長を務めていた2022年7月から翌23年9月までは、趙次長検事と共に李候補が関与した城南FC違法後援金事件を捜査した。
その後、李地検長と趙次長検事は昨年5月と6月にそれぞれソウル中央地検に異動して金建希夫人のドイツ・モータース株価操作疑惑を捜査し、同年10月に金夫人を「嫌疑無し」処分とした。民主党は「見逃し捜査」だと反発し、二人は12月5日に国会から弾劾訴追された。憲法裁判所は、98日後の今年3月13日に裁判官8人全員一致の意見で「検事らに対する弾劾訴追案を棄却する」と決定した。
李検事長は金夫人のブランドバッグ授受疑惑についても「大統領の職務と関連はなく、請託禁止法上、公職者の配偶者は処罰できない」として昨年10月に「嫌疑無し」処分を下した。こうしたことが理由で李地検長はこれまで、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に近いとされる「親尹」検事に分類されてきた。李地検長は、尹錫悦・前大統領が検察総長(検事総長に相当)を務めていた2020年に大検察庁(最高検に相当)報道官を務めたこともある。
■李地検長、大統領選直前に辞表を提出して物議
これについて李地検長は平素、「尹前大統領と、(報道官を務める)以前は特に勤務上の縁はなかった」「金夫人のドイツ・モータース株価操作疑惑は以前の捜査チームが早く結論を出さないので、速やかに締めくくっただけ」「ブランドバッグ授受疑惑も捜査チーム全員が『不起訴にすべき』という意見だった」などの立場を表明してきた。
この日、法曹界からは、来月3日に行われる韓国大統領選挙まで日数があまり残っていない時期に韓国最大の検察庁のトップが辞意を表明したのは適切ではない、という批判が出た。ある検察関係者は「政治状況とは関係なしに、自分が担当した仕事を尽くすのが公職者の姿勢ではないか」と語った。法曹界のある人物は「李候補関連の事件の公訴維持も重要な責務なのに、李地検長など指揮部が自ら投げ出すというのは話になるものか」と語った。
逆に、現職のある部長検事は「民主党が政権を取ったら閑職に左遷されたり、辞表を出しても受理せずに監察と捜査を続けたりする可能性が高いので、二人はあらかじめ辞表を出したらしい」と語った。
また、現職検事としては韓国の憲政史上初めて弾劾訴追されたアン・ドンワン・ソウル高検検事も最近、辞意を明らかにした。民主党など野党は「『ソウル市公務員ユ・ウソン氏スパイ捏造(ねつぞう)事件』に関連して報復起訴をした」と主張して23年9月にアン検事の弾劾案を可決したが、憲法裁は昨年5月に弾劾案を棄却した。
ユ・ヒゴン記者、パク・カンヒョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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