▲国際海洋防衛産業展2025(MADEX2025)のHD現代のブース。/写真=キム・ドンファン記者
釜山のBEXCOで5月28日に開幕した「国際海洋防衛産業展(MADEX)2025」の会場。HD現代重工業のブースで軍服姿のサウジアラビア海軍の参謀総長とその一行がしばらくの間、同社の社員から、無人機を主力として運用する未来型航空母艦「無人戦力母艦」についての説明を聞いていた。その少し後、軍服姿のフィリピン、バングラデシュ、ペルー海軍の高官らが展示場の四方からぞろぞろと入ってきた。社員らは各国の軍..
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▲国際海洋防衛産業展2025(MADEX2025)のHD現代のブース。/写真=キム・ドンファン記者
釜山のBEXCOで5月28日に開幕した「国際海洋防衛産業展(MADEX)2025」の会場。HD現代重工業のブースで軍服姿のサウジアラビア海軍の参謀総長とその一行がしばらくの間、同社の社員から、無人機を主力として運用する未来型航空母艦「無人戦力母艦」についての説明を聞いていた。その少し後、軍服姿のフィリピン、バングラデシュ、ペルー海軍の高官らが展示場の四方からぞろぞろと入ってきた。社員らは各国の軍人をそれぞれ別の方向へ連れていき、輸出型駆逐艦・潜水艇などを巧みに紹介した。
【初公開】LIGネクスワンの無人水上艇「海剣X」
すぐ向かい側のハンファ・エアロスペース、ハンファ・オーシャン、ハンファ・システムなどハンファ・グループのブースにも軍服の行列ができていた。特にこの日、初公開の戦闘用無人水上艇について海外の軍関係者らの質問が相次いだ。今年で14回目を迎えるMADEXは、14カ国から200を超える企業・機関が参加して700余りのブースを構え、過去最大規模での開催となった。2023年(12カ国、およそ150社、565ブース)と比べると参加企業はおよそ50社、ブースはおよそ140増えた。
さらに、およそ30カ国からやって来た100人以上の軍関係者らが韓国の防衛産業技術に強い関心を示しつつ会場の各所を歩いて回り、世界各国の「軍服展示場」のような印象すらあった。5月28日から4日間開催されるこの展示会に来る予定の海外の将官級海軍関係者だけでも、およそ20人。肩の階級章に付いている星の数を合計すると50を超える。ペルー海軍のルイス・ホセ・ポラール・フィガリ(Luis José Polar Figari)参謀総長は「世界最高の韓国の造船所から技術力の移転を受けて、ペルー海軍の現代化を早く実現したい」と語った。
異例の熱気に、防衛産業界関係者の間では「この行事は本当に、これまでわれわれが知っていたのと同じ行事なのか」という反応が相次いだ。今年のMADEXは、4日間で30カ国の軍関係者をはじめバイヤーおよそ1万5000人が訪れると予想されている。米国のトランプ大統領が、昨年の当選直後から「韓国の軍艦および船舶建造能力は世界最高水準。緊密な協力が必要だ」と発言し、ジョン・フェラン海軍長官も今年4月に韓国の造船所を自ら訪れるなど、立場が向上した影響だという話が多い。
■防衛産業でも「無人」が中心…新技術を披露
2年に1度開かれるMADEXの今年のテーマは「スマート海軍に向かう航海」だった。中心的なキーワードは「無人」。少子高齢化などで兵力が減っている現実を前にした世界各国は、防衛産業分野でAI(人工知能)を活用した無人技術を通して、この空白を克服しようとしている。
韓国の二大防衛関連企業であるハンファとHD現代も、今回の行事にはこれまでより力を注いだ。ハンファ・グループの防衛3社(ハンファ・エアロスペース、ハンファ・オーシャン、ハンファ・システム)は初めて統合ブース(計468平方メートル規模)を構え、戦闘用無人潜水艇などを展示した。LIGネクスワンは無人水上艇「海剣X」を同イベントで初めて公開した。海剣Xは、ステルス機能は強化しつつ多機能レーダー(MFR)を搭載して探索性能を向上させた未来の無人水上艇モデルだ。ハンファ・グループの金東官(キム・ドングァン)副会長、HD現代の鄭基宣(チョン・ギソン)首席副会長も5月28日に自ら展示場を訪れ、各国の軍関係者らに社のビジョンを紹介した。
スウェーデンからMADEXに参加したグローバル防衛関連企業のサーブ(SAAB)は無人技術を適用した潜水艦用魚雷などを、フランスのタレス(Thales)も無人艦艇技術を前面に押し出した。米国の防衛関連AI企業パランティア(Palantir)からの投資を受けているユニコーン企業のシールドAI(Shield AI)も、韓国国内のパートナー企業を通して偵察用ドローンを展示した。
■「韓国の技術を学びたい」
このところK防衛産業が積極的に攻略を進めている中東・中南米・東南アジア諸国から来た軍関係者らは、韓国の防衛産業技術に対する関心を隠さなかった。サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などの国は、これまで海軍力にあまり投資をしていなかったが、ここ数年「紅海問題」で海上交通路が脅かされる中、戦力の強化に力を注いでいる。東南アジア諸国は、南シナ海で中国との緊張が高まっており、老朽化した海軍戦力の代替に強い関心を持っている。
高速上陸艇を披露した中堅造船会社のHJ重工業は、ブースに韓国語・英語と並んでアラビア語を併記した。HJ重工業の関係者は「行事前から、さまざまな独自技術について中東側からの問い合わせが多かったから」と説明した。この日、会場各所で、米国・欧州の防衛関連企業の製品よりも価格は安いが供給が早いK防衛産業のコスパや未来技術力についての質問が相次いだ。
UAEの関係者は、あるブースで「韓国の輸出型駆逐艦にも弾道弾迎撃ミサイルは搭載されるのか」「輸出型潜水艦のエンジンシステムは何か」などを尋ねていた。マレーシア海軍のイトゥナイン(Datuk Zulhelmy Ithnain)海軍参謀総長も「先行して韓国と協力しているペルーのように、われわれも自国の造船所に技術移転を受けたい」と語った。
イ・ジョング記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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