最近、韓国大手エンターテインメント企業のコンサート売上が爆発的な伸びを見せている。今年1-3月期の公演売上の伸び率は、前年同期比でYGエンターテインメント(以下、YG)275%、HYBE(ハイブ)252%、SMエンターテインメント(SM)59%となっている。アルバムの売上枚数は昨年激減したものの、公演部門が新たな成長原動力となっているのだ。中堅アイドルグループはもちろん、新人アイドルグループのコ..
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最近、韓国大手エンターテインメント企業のコンサート売上が爆発的な伸びを見せている。今年1-3月期の公演売上の伸び率は、前年同期比でYGエンターテインメント(以下、YG)275%、HYBE(ハイブ)252%、SMエンターテインメント(SM)59%となっている。アルバムの売上枚数は昨年激減したものの、公演部門が新たな成長原動力となっているのだ。中堅アイドルグループはもちろん、新人アイドルグループのコンサート実績やペンライトなど関連グッズの売上が大幅に伸びているものと分析されている。
【写真】10カ月間で18カ国 今年3月にワールドツアーを終えたガールズグループaespa
■韓国のエンターテインメント企業、今年1-3月期に急成長
韓国の4大エンターテインメント企業のうち、HYBE、SM、YGの3社の今年1-3月期の実績は前年に比べ大きく成長した。5月29日現在の韓国金融監督院電子公示システムによると、HYBEの1-3月期の売上高は5006億ウォン(約518億円)と38.7%増加したとのことだ。HYBE にSM・YGを加えた3大エンターテインメント企業の1-3月期の売上と営業利益は大幅に成長していることが分かった。=グラフ参照=
各エンターテインメント企業の主な実績は、公演分野の売上の伸びがけん引している。HYBEの今年1-3月期の公演売上は前年同期(440億ウォン)より252.3%も多い1552億ウォンだった。一方、アルバム・音楽配信の売上は前年同期比5.9%減の1365億ウォンだった。売上全体の中で公演が占める割合も31%と、アルバム・音楽配信の割合(27.3%)を上回っている。昨年まではCD・音楽配信の割合(40.2%)の方が公演の割合(12.2%)より多かったが、今年は逆転したのだ。今年1-3月期に所属歌手であるBTS(防弾少年団)のJ-HOPE(ジェイホープ)、SEVENTEEN(セブンティーン)、TOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥギャザー)、ENHYPEN(エンハイプン)、BOYNEXTDOOR(ボーイネクストドア)などの海外コンサートが多かったためと分析されている。
SMも今年1-3月期のコンサートの売上が390億ウォンで、前年同期比58%の成長を記録した。アルバム・音楽配信の売上は678億ウォンで、昨年1-3月期(551億ウォン)に比べ23%増にとどまった。SMは「新アルバムの売上枚数は昨年同期比で減少したが、ワールドツアーの拡大が業績改善をリードした」としている。SMは最近、NCT 127(エヌシーティー・イチニナナ、18公演)、aespa(エスパ、16公演)、東方神起(10公演)、SUPER JUNIOR(スーパージュニア)イェソン(8公演)などが大規模なワールドツアーを相次いで行っている。YGも昨年、トレジャー、ベビーモンスターなど所属グループのワールドツアーが続き、今年1-3月期の公演売上が前年対比275%増の75億ウォンとなった。
ただし、4大エンターテインメント企業のうちJYPエンターテインメント(JYP)だけは1-3月期の利益が減った。売上高は前年同期比3.1%増の1408億ウォンだったが、営業利益は41.6%減の196億ウォンとなった。他のエンターテインメント企業に比べて看板ミュージシャンのワールドツアー規模が小さく、新人デビュー(KickFlip〈キックフリップ〉)と放送制作(KBS『ザ・エンターテイナー』)の投資費用が重なったためと分析されている。
■今年下半期も海外公演に多数
今年下半期も韓国のエンターテインメント企業は海外公演でさらに稼ぐものとみられている。HYBEのイ・ジェサン最高経営責任者(CEO)は1-3月期実績カンファレンス・コールで、「現在発表されているものだけで約150公演が予定されており、下半期の追加公演まで入れれば規模・観客数ともに拡大するだろう」と述べた。
海外公演の実績が他に比べ振るわなかったJYPも、今年の残り期間は公演部門に注力し、TWICE(トゥワイス)、Stray Kids(ストレイキッズ)など主要アイドルグループの大規模なツアーが予定されている。韓国の証券会社のハナ証券は「昨年の年間ツアー観客数が210万人だったStray Kidsは、日本・北米・南米でのスタジアム公演など、4-6月期のツアーだけでも140万人を集めるだろう」と分析した。6月中にBTSのいわゆる「軍白期」(メンバーの兵役による芸能活動空白期)終了、7月のBLACKPINK(ブラックピンク)のワールドツアーや新曲リリースなどの活動再開も、今年下半期のK-POP界全体のムードを盛り上げるものとみられる。
■アルバムもワールドツアー日程に合わせて発売
所属アイドルグループたちのアルバム発売戦略も、これまで音楽番組に合わせて1-2曲を短い間隔でリリースする「シングルカット」ではなく、大規模ワールドツアーの日程に合わせた「ミニアルバム」や「フルアルバム」の方向へと切り替えつつある。ワールドツアー・ミュージシャンであるHYBE(所属事務所がHYBE LABELS傘下)のSEVENTEENと、JYPのTWICEは、今年デビュー10周年のフルアルバム発売と大規模ワールドツアーの同時進行を予告している。評論家のキム・ドホン氏は「2時間前後のコンサートを行い、ワールドツアーの象徴性も際立たせるためには、充実したアルバムが必要だ」と話す。音楽専門データ・ジャーナリストのキム・ジンウ氏は「ワールドツアー期間が長くなるにつれ、ツアー途中にミニアルバムを出し、ツアー終了後にフルアルバムを出す戦略も目立ってきた」と語った。
新人アイドルグループがデビューしてからワールドツアーを行うまでの時期も大幅に短縮されている。SM所属の男性アイドルグループRIIZE(ライズ)は今年5月、デビューから1年半で1stフルアルバムを発売し、初のワールドツアー日程を発表した。先輩グループのaespaがデビューから約4年後の昨年、1stフルアルバムを出したのに比べると、非常にスピーディーだ。YGのガールズグループBABYMONSTER(ベイビーモンスター)はデビュー9カ月目の今年1月に米国・日本などの海外20都市で初ワールドツアーに突入した。評論家のチョン・ドクヒョン氏は「最近のK-POP新人アイドルグループたちはさまざまな自主動画コンテンツを通じてデビュー前から相当数のファンを確保している。観客動員力さえ検証できていれば、デビューしてすぐでもワールドツアーが可能だ」と分析した。
ユン・スジョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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