▲尹錫悦・前大統領/写真=ニュース1
趙垠奭(チョ・ウンソク)内乱特別検察官(特検)のチームと尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領側が「逮捕状」を巡って熾烈(しれつ)な駆け引きを繰り広げた末、尹・前大統領側がひとまず1勝を挙げた。
【表】尹錫悦政権3年は全て「内乱統治期間」…戒厳と無関係な事柄も「内乱」で片付ける左派陣営
内乱特別検察官チームは最近、捜査開始とともに尹・前大統領に対して出国禁止措置を取ったのに続き、24日に逮捕状まで請求..
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▲尹錫悦・前大統領/写真=ニュース1
趙垠奭(チョ・ウンソク)内乱特別検察官(特検)のチームと尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領側が「逮捕状」を巡って熾烈(しれつ)な駆け引きを繰り広げた末、尹・前大統領側がひとまず1勝を挙げた。
【表】尹錫悦政権3年は全て「内乱統治期間」…戒厳と無関係な事柄も「内乱」で片付ける左派陣営
内乱特別検察官チームは最近、捜査開始とともに尹・前大統領に対して出国禁止措置を取ったのに続き、24日に逮捕状まで請求した。しかし裁判所は25日、尹・前大統領側の「特検の出頭要求には応じる計画があったのに、召喚の通知が一度もないまま令状を請求するのは不当」という主張を受け入れて逮捕状請求を棄却した。内乱特検チームの関係者は「尹・前大統領側に、今月28日午前9時に出頭して取り調べを受けるよう通知した。召喚に応じなければ逮捕状の請求を検討したい」と語った。
逮捕状請求棄却の直後、尹・前大統領側は「特検の捜査が法律の枠内で公正に行われることを求める」としつつ「尹・前大統領は特検の召喚要請に堂々と応じるだろう」とコメントした。
■逮捕状を巡る激しい駆け引き、特検が1敗
趙特検は今月24日、尹・前大統領に対する逮捕状を請求する際、「(尹・前大統領は)今月5日と12日に警察が行った出頭要求に応じず、特検の捜査開始後の19日にも警察の出頭要求に応じなかった」「これは、特検の召喚にも応じるつもりはないという意思を明確に示すもの」だとした。別途の出頭要求なしに逮捕状を請求する理由をこのように明かしたのだ。
これに対し尹・前大統領側は「特検と警察は明白に別個の捜査機関であって、警察の段階における出頭要求を援用して逮捕状を請求するのは妥当ではない」「特検の召喚には応じる計画だった」と切り返した。
これを巡り、法曹界からは「“特捜通”(特別捜査部出身)の二人の駆け引きが本格化した」という声が上がった。尹・前大統領側については、現行法上の逮捕状請求の要件を揺さぶって裁判所が令状請求を棄却するように誘導した、という評価が出た。法曹界のある人物は「警察の捜査が違法だと終始主張してきた尹・前大統領側が、特検の捜査は受ける計画だったと表明したことで、召喚を一度もやらない特検の立場が難しいものになったのだろう」と語った。
逆に、趙特検について「尹・前大統領側の対応まで考慮した手を打った」という分析もある。高裁部長出身のある弁護士は「趙特検が異例にも令状請求の事実を公開したのは、“召喚取り調べに応じようと思っていた”という尹・前大統領側の主張の信ぴょう性を揺さぶるためのものとみられる」と語った。だが結果は、趙特検の1敗だ。裁判所が、性急な趙特検の令状請求を棄却したのだ。ただし尹・前大統領側が、特検の取り調べに応じるつもりだという立場を表明しているだけに、趙特検は所期の成果を挙げたという評価も出ている。
■出国禁止措置に続いて逮捕状…無理な手だったか
趙特検が逮捕状請求まで押し付けたのは、それなりの理由があったといわれる。今月23日に尹・前大統領側が、内乱裁判で「特別検察官法は特定の政治勢力が主導し、違憲的だ。憲法裁判所に法律的問題を提起したい」とする立場を表明したからだ。
特検チーム内からは「特検そのものを認められないということではないか」「警察の取り調べにも応じないのに、特検の取り調べに応じるだろうか」などの反応が出たという。「特別検察官法違憲」まで主張し出しているのだから、出頭要求をしても応じないだろうと判断し、違憲法律審判の請求などで「粘る」可能性を事前に遮断すべきだということで意見がまとまった―と伝えられている。
だがこの日、尹・前大統領に対する逮捕状請求が棄却されると、法曹界からは「意欲が先行した趙特検の無理な手だった」という評価が出た。法曹界のある関係者は「尹・前大統領の場合、取り調べに応じるつもりだと意志表示するだけでも逮捕状の発付は難しい」「捜査も相当部分進められており、逃走および証拠隠滅の恐れも大きくない状況」と指摘した。
キム・ヒレ記者、キム・ナヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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