▲グラフィック=朴祥勛(パク・サンフン)
スティーブン ・F・ ジョスト在日米軍司令官(空軍中将)は6月28日、日本に駐留する約5万5000人の在日米軍の任務について「同盟の管理から人道支援、災害救助、武力衝突に至るさまざまなスペクトラムを合わせた作戦の統合・同期化に向け見直されるだろう」と述べた。その上でジョスト司令官は「(在日米軍司令部は)今後数年かけて指揮権限を徐々に拡大していく」と明言した。米国のトランプ政権は早ければ8月に予定..
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▲グラフィック=朴祥勛(パク・サンフン)
スティーブン ・F・ ジョスト在日米軍司令官(空軍中将)は6月28日、日本に駐留する約5万5000人の在日米軍の任務について「同盟の管理から人道支援、災害救助、武力衝突に至るさまざまなスペクトラムを合わせた作戦の統合・同期化に向け見直されるだろう」と述べた。その上でジョスト司令官は「(在日米軍司令部は)今後数年かけて指揮権限を徐々に拡大していく」と明言した。米国のトランプ政権は早ければ8月に予定されている新たな国家防衛戦略(NDS)発表を前に、インド太平洋地域に配備された米軍の体制全般を現在確認しているが、中国けん制に向け在日米軍の役割がさらに強化された場合、以前から削減や移転がささやかれる在韓米軍の運用方式にもかなりの変化が予想されている。
【表】在韓米軍規模の推移
ジョスト司令官は同日朝日新聞に寄稿した文書の中で「インド太平洋地域の安全保障、自由、繁栄はとりわけ中国のような敵対的国家により徐々に大きな挑戦に直面しており、私は(中国の)脅威がさらに深刻化している事実を直接確認できた」とした上で上記の考えを示した。これに先立ちトランプ政権は今年3月、NDSの予告編とも言える「暫定国家防衛戦略」の中で「中国けん制」を安全保障上の第1の課題とし、また日本は、米国が進める「中国けん制に向けた同盟国の役割拡大」に応えるため、韓半島、大韓海峡、南シナ海を一つの戦域(戦時作戦区域)とするいわゆる「ワンシアター(一つの戦域)」構想の概念を米国に提示し協議を進めている。
在日米軍司令官が言及したように、在日米軍の重要性が拡大し、米軍が東アジア地域を一つの戦区として統合し運用するようになれば、この地域における米軍の構造が大きく見直される可能性が考えられる。トランプ政権内部からは「在韓米軍の戦時作戦統制権移譲と同時に在韓米軍司令官は中将(三つ星)が担当」「現在中将が担当している在日米軍司令官は大将(四つ星)が担当し国連軍司令官を兼任」との案が出ているという。在日米軍の規模は在韓米軍の約2倍だ。また国連軍司令部(UNC)の移転や韓米戦時作戦統制権の韓国への移管に向けた議論も同時に行われるとみられる。
米日両国は昨年7月、中国の軍事的脅威に対抗するため指揮・統制体制の協力強化で合意し、米軍は自衛隊拡張に歩調を合わせ在日米軍司令部を合同軍事司令部に格上げすることを決めた。在日米軍は自衛隊とすでに指揮系統では協力しているが、これは韓国軍と米軍のように統合された指揮体系ではない。しかし米軍内部では中国の膨張政策をけん制するため在日米軍の役割強化を主張する声が高まっている。日本の自衛隊では今年3月に陸上、海上、航空の各自衛隊による「自衛隊統合作戦司令部協力チーム(JCT)」が発足した。今はまだ小さい組織だが、今後JCTは米日両国の軍事協力強化において仲介役を含む重要な役割を果たす見通しだ。在日米軍の作戦指揮権は現在ハワイのインド太平洋司令部(USINDOPACOM)にあるが、これを一部移転し司令官を大将(四つ星)に格上げするとの見方も浮上している。
ジョスト司令官は日本がJCTを発足させたことについて「より統合され柔軟な安全保障態勢を日本が追求している事実を反映する歴史的な発展だ」「この重要な進展、構造的深化は日本の防衛予算拡大と並行して進められている。日本が地域の安全保障において先導的な役割を果たそうとする決意を象徴している」と称賛した。その上でジョスト司令官は「インド太平洋地域における安全保障、自由、繁栄は特に中国のような敵対的国家により徐々に大きな挑戦に直面しており、私は(中国の)脅威がさらに深まっていることを直接確認できた」「われわれの目標は日本というパートナーとの連結性、作戦面での効率性を大きく向上させ、同盟による抑止力強化の能力を備えることだ」と説明した。
日本はインドやオーストラリアと共に多者安保協力体であるクアッドの一員であり、最近は中国けん制の重要国であるフィリピンなどとも安全保障面での協力を進めている。南シナ海や東シナ海で中国の覇権主義をけん制するため米国やフィリピンとの3カ国協力も活発に行っている。
在日米軍の役割が実際に拡大した場合、在韓米軍もいかなる形であれ変化は避けられないと予想できる。米国は人員やリソース面での制約を考慮し、現在その任務が北朝鮮抑止に限定されている在韓米軍についてはいわゆる「戦略的柔軟性」を模索している。新たな任務に伴い在韓米軍の一部再配備もあり得るという話だ。実際に米国のヘグセス国防長官は今月初めに米軍削減の可能性について「米国は常にあらゆる場所にいることはできないし、その必要もない」と発言した。また在韓米軍のブランソン司令官は韓国について「日本と中国の間にある空母のようなもの」との見方を示した。在韓米軍は北朝鮮の脅威だけに備えるのではなく、中国を抑止するインド太平洋戦略の基幹戦力になるという意味だ。ブランソン司令官は今年5月「力による平和を維持するためわれわれは時に別の地域に移動しなければならない」とも述べ、有事に在韓米軍を周辺の紛争地域に投入する可能性も明確にした。
ワシントン=金隠仲(キム・ウンジュン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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