▲写真=UTOIMAGE
ロシアの大規模な空爆に応戦していたウクライナのF16戦闘機の操縦士が、自身の戦闘機の機体が損傷して降下し始めた際、民家への激突を避けるために墜落直前まで操縦かんを離さなかったことが分かった。戦闘機は結局墜落し、この操縦士も命を落とした。
【写真】ウクライナ空軍のマクシム・ウスティメンコ中佐
ロイター通信が6月29日、報じた。同通信は、ウクライナ当局の同日の発表を引用し「F16戦闘機の操縦士マクシム..
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ロシアの大規模な空爆に応戦していたウクライナのF16戦闘機の操縦士が、自身の戦闘機の機体が損傷して降下し始めた際、民家への激突を避けるために墜落直前まで操縦かんを離さなかったことが分かった。戦闘機は結局墜落し、この操縦士も命を落とした。
【写真】ウクライナ空軍のマクシム・ウスティメンコ中佐
ロイター通信が6月29日、報じた。同通信は、ウクライナ当局の同日の発表を引用し「F16戦闘機の操縦士マクシム・ウスティメンコがロシアの大規模な夜間空襲を防御している際に戦死した」と伝えた。ウクライナ空軍は声明で「ウスティメンコは戦闘機が人口密集地域から離れるよう、可能な限り全てのことを試みたが、結局脱出する時間がなかった」「彼は英雄として戦死した」とコメントした。ウクライナがF16戦闘機を導入して以降、同機の操縦士が死亡したケースは3例目だ。
ウクライナ空軍によると、ウスティメンコ中佐は墜落する直前まで七つの目標物を撃墜していたが、最後の目標物を撃墜する際に機体が損傷した。ウスティメンコ中佐は人口密集地域を避けるために最後まで戦闘機を操縦し続け、結局脱出できなかったことが分かった。戦闘機は民家から離れた地域に墜落し、ウスティメンコ中佐は死亡した。ウクライナのゼレンスキー大統領はウスティメンコ中佐に「ウクライナの英雄」の称号を授与した。ゼレンスキー大統領は「ウスティメンコ中佐は2014年のドンバス戦争のときから戦闘に参加しており、4種類の飛行機の操縦に熟達していた」「このような人物を失うのはあまりにもつらい」と述べた。
同通信によると、ウクライナは昨年からF16を運用しており、これまでに3機を失ったという。ウクライナ政府はF16を何機保有しているのか正確な数字を公表していないが、F16はウクライナの防空システムの中心的な戦力として運用されている。ウクライナの軍事専門家、ロマン・スビタン氏はF16について、全ての戦闘任務に適しているわけではないと指摘した。特に、都市を攻撃する多数のドローンを撃退するのには限界があるとして、F16は高速で移動する標的を迎撃する際により力を発揮すると説明した。
ロシアは今回の空爆で、六つの地域にドローン477機を飛ばし、ミサイル60発を発射した。ウクライナ軍はこのうちドローン211機とミサイル38発を破壊したと発表した。さらに、225機のドローンは電子戦で無力化したか、爆発物を搭載していない「おとり」だったと説明した。ロシアはここ数週間でウクライナの複数の都市に対して大規模な空爆を続けている。
ゼレンスキー大統領は今回の事態に関連し、米国や西側の同盟国にさらなる支援を求めた。ゼレンスキー大統領は「ウクライナは(国民の)命を最大限保護するために防空力を強化する必要がある」として「我々は米国の防空システムを購入する準備がある」と述べた。米国のトランプ大統領は先ごろ、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議でゼレンスキー大統領と会談し、防空システム「パトリオット」のウクライナへの提供を検討していると明らかにしたが、現時点で具体的な軍事支援計画は表明していない。
イ・ヘジン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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