▲イラスト=UTOIMAGE
高市早苗首相の「台湾有事の際の自衛隊武力介入」示唆発言により、中国で予定されていた日本人歌手たちの公演が相次いで中止になっている中、公演を強制的に取りやめさせられた日本の人気女性歌手が、これに屈せずに観客が客席に入っていない状態でステージに立ち、注目を集めている。このため、いわゆる「無観客公演」で中国側の公演中止通知に応酬したとの声が上がっている。
【写真】「無観客ライブ」完走 観客席に向かってあ..
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高市早苗首相の「台湾有事の際の自衛隊武力介入」示唆発言により、中国で予定されていた日本人歌手たちの公演が相次いで中止になっている中、公演を強制的に取りやめさせられた日本の人気女性歌手が、これに屈せずに観客が客席に入っていない状態でステージに立ち、注目を集めている。このため、いわゆる「無観客公演」で中国側の公演中止通知に応酬したとの声が上がっている。
【写真】「無観客ライブ」完走 観客席に向かってあいさつする浜崎あゆみさん
日本の人気歌手・浜崎あゆみさん(47)は11月30日、交流サイト(SNS)「インスタグラム」の自身のアカウントに「1万4000席の空席ですが、世界中のTA(ファン)の愛をとても感じた、私にとって最も忘れられないショーの1つでした」と投稿し、自身のライブ写真を掲載した。
写真を見ると、浜崎あゆみさんはダンサーたちと一緒にステージに立ち、客席に向かって手を振りながら情熱的な公演をしている。華やかなステージ衣装にライト、紙吹雪などがすべてそのまま使われている。ステージが終わった後、バックダンサーたちが頭を深く下げてあいさつする姿も写っていた。しかし、観客席はがらんとしていた。無観客公演を行ったのだ。
浜崎あゆみさんは「このステージを実現した中国人と日本人のクルー、バンドメンバー、ダンサーの200人を心の底から賞賛します」とも書いた。台湾のニュースによると、浜崎あゆみさんは観客が誰もいない状況でも予定されていた公演を最初から最後まで全て行ったとのことだ。
浜崎あゆみさんは今年6月に始まったツアーの一環として、11月29日に上海浦発銀行東方体育中心(スポーツセンター)で上海公演を行う予定だった。これは10月の浙江省杭州、11月1日の北京に続き、3回目の中国での公演だった。
しかし、上海公演は11月28日、公演前日に突然中止となった。中国の主催者側が明らかにした理由は「不可抗力」だった。突然の公演中止に、浜崎あゆみさんは「日本と中国のクルー総勢200名で協力し合い、5日間かけて上海のステージを本日組み終えましたが、午前に急遽公演中止の要請を受けました」とコメントした。
公演中止の背景には中国当局の介入があったという見方が出ている。高市首相の「台湾有事介入」示唆発言で、中国は連日、日本に圧力を加えている。日本への渡航自粛令に続き、最近では中国で予定されていた日本関連のコンサート・映画・ミュージカルなどが相次いで中止・取り消し・延期されている。11月28日には日本人歌手・大槻マキさん(52)が中国・上海で行われたあるイベントでアニメ『ONE PIECE(ワンピース)』の主題歌を歌唱中、追い出されるようにステージから退場させられた。この時、中国人の観客たちが主題歌を一斉に歌い出すと突然照明が消え、伴奏も止まった。戸惑っている大槻マキさんにイベントスタッフ2人が近づいてきて、ステージから下がるよう要請した。この公演の主催者側は翌日に予定されていた公演も「不可抗力」を理由に取り消した。
今回の浜崎あゆみさん公演中止で、中国のファンは不満を爆発させた。中国のファンたちは今回の公演のために準備したお金や時間が全て無駄になったと言い、無念さを吐露した。「不可抗力」を理由に公演を中止し、一言の謝罪もない主催者側を批判する人もいた。
一部には、公演中止による損失について、中国側の方が大きい可能性があるとの見方もある。中国官営メディア「環球時報」の胡錫進元編集長は「公演途中に突然電気を消して中止させるようなやり方は、外部から見ると公演者を尊重しないものと映るだろう。これでは、我々の日本に対する制裁について、外部が攻撃する口実を与えやすくなる。このような方式なら中国側の損失は日本側の損失を上回りかねない」と述べた。
ところが、胡錫進元編集長のこうした投稿はその翌日、突然削除された。そして、新しい投稿が掲載されたものの、以前とはやや異なる論調の内容となっていた。次の投稿で、胡錫進元編集長は「浜崎あゆみの上海公演中止は中国の対日制裁措置の一部だ。この措置を認め、支持する。どの社会でも芸能人は影響力が大きい。日本の首相の悪質な対中姿勢のために日本の芸能人が連鎖的に打撃を受けるならば、日本社会の内部で事態の深刻さに対する認識が広がる効果があるだろう」と述べた。
パク・ソンミン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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