尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の訪米当時に浮上した韓国公共放送局MBCの「字幕論争」に関連して、ソウル高裁が最近、外交部(省に相当)に対して訴訟の取り下げを勧告する決定を下した。
ソウル高裁民事13部(裁判長:文珖燮〈ムン・グァンソプ〉部長判事)は今月18日、外交部がMBCを相手取って起こした訂正報道請求訴訟で「外交部は訴えを取り下げてMBCはこれに同意せよ」という強制調停決定を下した。強制..
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尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の訪米当時に浮上した韓国公共放送局MBCの「字幕論争」に関連して、ソウル高裁が最近、外交部(省に相当)に対して訴訟の取り下げを勧告する決定を下した。
ソウル高裁民事13部(裁判長:文珖燮〈ムン・グァンソプ〉部長判事)は今月18日、外交部がMBCを相手取って起こした訂正報道請求訴訟で「外交部は訴えを取り下げてMBCはこれに同意せよ」という強制調停決定を下した。強制調停とは、民事裁判において原告・被告間で調停が不発となった際に裁判所が職権で下す決定。強制調停決定に対し2週間以内に双方が異議を提起しない場合、そのまま確定する。
この事件は2022年9月、当時のジョー・バイデン米国大統領がニューヨークで行事を主催した際、この行事に出席して会場を去った尹大統領(各当時)の発言が発端になった。当時、MBCは尹大統領の発言を伝えるときに「(米国)国会でこの××たちが承認してやらなければ『バイデン』は面目をつぶされて、どうするかな」という字幕を付けた。大統領室は「国会とは韓国国会のことで、バイデンではなく『吹っ飛ばしたら(ナルリミョン)』と言った」と主張した。その後、外交部は同年12月にMBCを相手取って訂正報道請求訴訟を起こした。
一審はMBCの報道を虚偽とみて訂正報道を命じた。だがMBCが控訴し、ソウル高裁の裁判部は先月24日に調停期日を開いたが、双方の間で合意に至らなかった。
控訴審裁判部は18日、強制調停決定を下しつつ「(尹・前大統領の)発言の性格、言論・表現の自由、社会的対立のコストなどを総合してみると、外交部が訴えを取り下げる形が望ましい」とコメントした。裁判部は、専門家が「音声判読不能」の結論を下したことを基に「外交部が提出した証拠だけではこの事件の報道が虚偽であると認定するには足りない」とした。
パク・ヘヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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