▲写真=UTOIMAGE
ニュージーランドの情報機関が自国の安全保障上の脅威について「非常に高まっている」と警告した。特に中国に対し「背後で最も活発に内政干渉とスパイ活動を行っている」と名指しで批判した。ニュージーランド政府は安全保障環境の悪化に備えるため2兆ウォン(約2100億円)の軍事装備導入計画をすでに発表している。
【写真】フィリピン地方自治体に寄付する華人団体 裏の顔はスパイ団だった
ニュージーランド保安情報局(..
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ニュージーランドの情報機関が自国の安全保障上の脅威について「非常に高まっている」と警告した。特に中国に対し「背後で最も活発に内政干渉とスパイ活動を行っている」と名指しで批判した。ニュージーランド政府は安全保障環境の悪化に備えるため2兆ウォン(約2100億円)の軍事装備導入計画をすでに発表している。
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ニュージーランド保安情報局(SIS)は21日(現地時間)に年次報告書を公表し「ニュージーランドはここ数年で最も困難な安全保障環境に直面している」とした上で「海外の情報機関が極秘にニュージーランドの国益を害するスパイ活動を行っているのはほぼ確実」と警告した。
SISによると、複数の国がニュージーランドに影響力を行使しようとしているが、中でも中国が突出して「積極的」だという。報告書は「インド太平洋地域が大国の競争の場となった」として特に中国について「非常に独断的で強い行為を続けている」「中国はニュージーランドの国益を害する情報活動を行う意思も能力もある」と指摘した。
報告書は「中国共産党統一戦線工作部(統一戦線部)」を「内政干渉の中心的な役割を果たしている」と批判した。統一戦線部は海外での影響力を強める工作を担当している。SISは統一戦線部の活動について「日常的に欺瞞(ぎまん)的かつ強圧的で、腐敗している」と批判し「地域社会の団体や有力者を取り込み、彼らを代理人とし、政府や議会、メディア、学会などに浸透してニュージーランドの政策決定に影響力を行使しようとしている」と説明した。とりわけ中国系移民コミュニティーに圧力を加え、批判を押さえ付ける「超国家的弾圧」も行われているという。
報告書は「暴力的な過激派」も新たな脅威としている。ネットを通じて急速に進化した「孤独な狼(単独行為者)」が予告なしにテロを行う可能性が最も現実味のあるシナリオだという。SISは「中でも10代と20代前半の若者はネットを通じて過激な思想に簡単に染まる傾向がある」として懸念を示した。人工知能(AI)の発達で有害な主義主張がより説得力を持って広がっている点も脅威としている。
ニュージーランド駐在の中国大使館広報担当は直ちに電子メールなどで反論し「報告書の内容は根拠のない推測や事実関係の歪曲(わいきょく)、中国に対する分別のない非難に満ちている」「イデオロギー的な偏見と冷戦時代のメンタリティーにとらわれている」などと批判した。さらに「不当な攻撃に対抗し合法的な利益を守るため、必要であれば断固たる措置を取るだろう」とも警告した。
報告書を巡ってはニュージーランド国内の中国系コミュニティーから懸念の声も相次いでいる。コミュニティのリーダーたちはSISの警告を歓迎する一方で「これにより中国系全体に不当なレッテルを貼るべきではない」と訴えている。カンタベリー大学のアン=マリー・ブレイディ教授は現地ラジオRNZとのインタビューで「政府が安全保障に関する情報を共有するのはポジティブ」とした上で「情報が共有された社会は回復力が強い」と前向きに評価した。
ユ・ジンウ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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