▲世界の米陸軍基地で最大規模とされる京畿道平沢市のキャンプ・ハンフリース。26日撮影。/聯合ニュース
米国のトランプ大統領は25日(現地時間)に行われた李在明(イ・ジェミョン)大統領との首脳会談で「在韓米軍基地の所有権」を要求したという。米軍は京畿道平沢市のキャンプ・ハンフリースなど韓国国内の主要な基地だけで10カ所以上を使用している。専門家は「土地の所有権を得るには在韓米軍地位協定(SOFA)の改正が必要」と指摘する。現行のSOFAは敷地について「供与(無償提供)する」と定めているからだ。
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▲世界の米陸軍基地で最大規模とされる京畿道平沢市のキャンプ・ハンフリース。26日撮影。/聯合ニュース
米国のトランプ大統領は25日(現地時間)に行われた李在明(イ・ジェミョン)大統領との首脳会談で「在韓米軍基地の所有権」を要求したという。米軍は京畿道平沢市のキャンプ・ハンフリースなど韓国国内の主要な基地だけで10カ所以上を使用している。専門家は「土地の所有権を得るには在韓米軍地位協定(SOFA)の改正が必要」と指摘する。現行のSOFAは敷地について「供与(無償提供)する」と定めているからだ。
韓国国防部(省に相当)の安圭佰(アン・ギュベク)長官は26日、国会でこの問題に関する質問を受け「現実的に(所有権の移転は)不可能だ」「SOFAの規定に基づき一時的に使用しているもので、いずれ韓国に返還される」と答弁した。
トランプ大統領は在韓米軍の規模縮小についての質問に「今は言いたくない」「私がやりたいことは、われわれが持つ巨大な要塞(ようさい)の所有権を求めることだ」と述べた。トランプ大統領は「韓国は『自分たちの土地を与えた』と言うが、そうではない。韓国は土地を貸している。土地を与えることと貸すことは大きな違いがある」「われわれは賃貸借契約をやめ、巨大な軍事基地が置かれている土地の所有権を手に入れたい」との考えを示した。世界最大規模の米軍基地とされるキャンプ・ハンフリースの敷地の所有権移転を求めたものとみられる。
韓国政府はSOFAに基づき在韓米軍に基地の敷地を「供与(無償提供)」している。トランプ大統領は不動産取引における「賃貸借」という言葉を使ったが、供与の方針に基づき在韓米軍は駐留について賃料などは一切支払っていない。外交安全保障に詳しいある専門家は「不動産賃貸借契約で言えば、保証金はなく家賃もない形だ」「供与ではなく所有形態とするには現行のSOFAを改正しなければならない」と説明した。
SOFAの第2条には在韓米軍への土地の提供は韓米相互防衛条約第4条に基づく「供与」と明記されている。韓米相互防衛条約第4条には「相互の合意で決められた内容に基づきアメリカ合衆国の陸軍、海軍、空軍を大韓民国の領土内とその周辺に配置する権利について大韓民国はこれを許与しアメリカ合衆国はこれを受諾する」と記載されている。
現行のSOFA体制では在韓米軍は敷地を無償で使用できるが、「今後必要がなくなれば大韓民国に返還しなければならない(SOFA第2条)」とも記載されている。基地の敷地に対して米軍は所有権がないことを明確にしたものだ。SOFA改正には国会での批准も必要で、実現は難しそうだ。
また米国が海外基地の敷地を実際に所有する事例はほぼない。米国は2024年時点で51カ国で128カ所の基地を使用しているが、それらの敷地の所有権はその国が持つのが原則だ。日本、ドイツ、イタリアなどの米軍基地も使用権は米国にあるが、所有権はその国にある。海外の基地について米国防総省も「土地に対する権利はホスト国が持ち続ける」としている。
実現の可能性が低く、しかも米軍の立場とも異なるトランプ大統領の今回の発言については「韓国の防衛費分担金増額などを狙った交渉用のジャブ」との見方もある。韓米防衛費分担金(SMA)交渉を担当したある人物は「SMA協定の際に韓国は基地の使用料を受け取らないことで交渉を進展させた」「現行のSMAを破棄するため所有権問題に言及した可能性もある」との見方を示した。今回のトランプ大統領の発言はグリーンランドの所有権を主張し、カナダを51番目の州として併合したいとする独自の膨張主義が表面化したとの解釈もある。
韓国大統領府の魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安全保障室長は同日、首脳会談の結果を説明する会見で「発言の背景をしっかりと把握する必要性を感じている」とした上で「在韓米軍の敷地はこちらが供与するもので、与えるとか地代を受け取るとかの概念ではない」と説明した。
ヤン・ジホ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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