▲バンコクの高架電車(BTS)アソーク駅近くにあるBYDのショールーム/チョン・ミハ記者
10月半ば、タイ・バンコクの高架電車(BTS)アソーク駅近くの交差点で約10分間、同じ車線を通った自動車100台余りを調べたところ、日本車が大半を占めたが、その次に多かったのが中国の電気自動車(EV)メーカー、BYD(比亜迪)の車両だった。タイの自動車市場は長年日本車が掌握してきたが、最近は中国車の存在感が高まっている。
【写真】バンコク市内を走る中国EV
日本の自動車メーカーは1960年代にタイ..
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▲バンコクの高架電車(BTS)アソーク駅近くにあるBYDのショールーム/チョン・ミハ記者
10月半ば、タイ・バンコクの高架電車(BTS)アソーク駅近くの交差点で約10分間、同じ車線を通った自動車100台余りを調べたところ、日本車が大半を占めたが、その次に多かったのが中国の電気自動車(EV)メーカー、BYD(比亜迪)の車両だった。タイの自動車市場は長年日本車が掌握してきたが、最近は中国車の存在感が高まっている。
【写真】バンコク市内を走る中国EV
日本の自動車メーカーは1960年代にタイに自動車組立工場を設け、東南アジア諸国連合(ASEAN)域内で地域で部品を調達する場合、0~5%の低い関税率を適用するASEAN産業協力スキーム(AICO)を利用し、エンジンと変速機をそれぞれタイ、フィリピンから調達し、組立はインドネシアなどで行うという分業型サプライチェーンを構築した。2010年には日本のタイ自動車市場におけるシェアが92.3%に達した。
しかし、日本車が独走していたタイの自動車市場に変化が生じている。EVへのシフトの中で、BYDなど中国のEVメーカーが低価格を掲げ、タイ市場でシェアを拡大している。
日経アジアによると、今年4月にタイで販売された新車のうち、日本車の割合は65%で、前年同月(90%)を25ポイント下回った。トヨタのシェアは38%で首位を守ったが、販売台数は前年同月比8%減となり、いすゞも18%減でシェアは12%にとどまった。ホンダは42%減でシェアは7%にまで低下した。
一方、BYDなど中国のEVメーカー6社のシェアは過去最高の24%を記録した。うちBYDが14%で最大だった。BYDの4月の販売台数は前年同月の7.3倍に伸び、いすゞ、ホンダのシェアを上回った。BYDは今月20日、タイで累計販売台数10万台を達成した。
タイでBYDが人気を集める理由はずばり低価格だ。アソーク駅近くにあるBYDのショールームの従業員は「これまではブランド認知度だけで日本車を購入することが多かったが、BYDは価格が安く人気だ」と話した。タイで販売されているBYDのモデルは49万9900バーツ(約233万円)から購入可能だ。
トヨタ車の価格は車種によって異なるが、乗用車で最も安いのはヤリスATIV(エイティブ)で54万9000バーツで販売されている。トヨタの乗用車で最高価格のカムリは147万5000バーツからだ。ホンダ車の価格もトヨタと似ている。最も安い乗用車モデルのシティは59万9000バーツで、最高額モデルのアコードは147万9000バーツだ。
BYDがタイで販売しているのはAtto3(元プラス)、シール(海豹)、シール5、ドルフィン(海豚)、シーライオン(海獅)6DM-I、シーライオン7、M6の計7モデル。ショールーム従業員は「オート3とシーライオン7が最も人気で、スポーツ用多目的車(SUV)を好む客もいる」と話した。
現代自動車もタイ市場攻略に乗り出した。同社は昨年8月、10億バーツを投資し、タイにEV組立工場とバッテリーモジュール工場を着工した。来年からタイでアイオニック5などのEVを年間5000台生産する予定だ。
問題は価格だ。タイで現代車は性能は良いが、価格が高いという認識がある。タイ北部のチェンマイ空港近くのショッピングモール「セントラル・チェンマイエアポート」に設けられた現代自のポップアップストアの従業員は「現代車はタイ人が買うには高い」と語った。
展示されていたサンタフェの価格は174万9000バーツ、「クレタ」という現地名で販売されるツーソンは92万9000バーツ(約4021万ウォン)だった。タイで人気のスターリアの最安値は165万9000バーツだった。
バンコク・チェンマイ=チョン・ミハ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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