▲上海市内にあるインターナショナルスクール
上海の中国系企業で働く韓国人Cさんは最近、悩んだ末にインターナショナルスクール(インター校)に通っていた高校生の息子を転校させた。息子が通っていたのは、上海で代表的な名門とされる上海長寧国際学校(SCIS)で、一時中国上流層の保護者の間で入学競争が最も激しかった所だ。
【写真】「現代版義和団」 中国・吉林省で米国人の大学講師4人が刃物で襲われる
Cさんは「息子が今年2月、学校の運動場でクラスメート..
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▲上海市内にあるインターナショナルスクール
上海の中国系企業で働く韓国人Cさんは最近、悩んだ末にインターナショナルスクール(インター校)に通っていた高校生の息子を転校させた。息子が通っていたのは、上海で代表的な名門とされる上海長寧国際学校(SCIS)で、一時中国上流層の保護者の間で入学競争が最も激しかった所だ。
【写真】「現代版義和団」 中国・吉林省で米国人の大学講師4人が刃物で襲われる
Cさんは「息子が今年2月、学校の運動場でクラスメートの白人男子生徒らに足首を蹴られじん帯を負傷をしたのだが、学校側は事件をもみ消そうと必死だった」と主張した。Cさんは事件直後、警察の立ち会いの下、学校側に監視カメラ映像の開示を求めたが、学校側はそれを拒否した。
Cさんは「学校の経営陣はむしろ息子の授業出席権を剥奪すると言い、『免責同意書』への署名を強要してきた。インター校は中国教育当局の管轄外にあると主張し、中国系学生の口だけを塞ごうとしている」と訴えた。Cさんは「最近中国のインター校では白人学生らが『一等市民』待遇を受け、アジア系の子どもたちは取り残されることが多い。英語教育の重要性が以前ほど高くない状況で、こんな待遇を黙って受け入れる中国人がどれほどいるだろうか」疑問を呈した。
■貴族学校のイメージ薄れる
中国ではインター校の管理上の問題が指摘され、英語教育もそれほど重視されなくなり、「インター校ブーム」が急速に衰えている。わずか数年前までは上海、北京、深圳などの大都市の富裕層は子女の「海外名門大学進学ルート」を確保するため、年間30万元(約646万円)を超える授業料を喜んで払っていた。
しかし、最近は状況が急変した。中国の教育メディアによると、2023年からは中国国内のインター校の数が初めて減少に転じた。特に米英など外国の財団が直接運営していた名門インター校の廃校が相次いでいる。
昨年6月、在学生が1300人いた深圳市の厚徳書院は予告なしに閉校した。今年3月には保護者数百人が雨の中で「学費返還」要求するデモを行った。同市のインター校の数は一時の69校から昨年には41校に急減した。中国全土で9校を運営している英国系国際学校財団も中国内の事業縮小案を検討しているという。
■米中対立とコロナ封鎖で教員不足
米中対立の激化とコロナによる封鎖措置の影響が重なり、経験豊富な外国人教員が大挙して中国を離れたことでインター校の衰退が本格化した。中国のある留学あっせん機関は最近ソーシャルメディアを通じ、英語が母国語である教員の割合が2019年の65%から昨年は18%に急減したことを明らかにした。中国の留学生関連メディアは「一部のインター校ではわずか6カ月の間に教員が3回も交代したケースが報告されている」と伝えた。外国人人口の減少でインター校の非アジア系学生の割合も30%未満に下がり、学校のアイデンティティーと教育品質が崩壊しているとの批判も出ている。
Cさんの息子のように人種対立に端を発するとみられる校内暴力事件も増えた。2023年、北京のあるインター校に子どもを通わせていた中国人の保護者は、ソーシャルメディアに告発映像を投稿。「400万元の学費を払ったが、(学校側は)子どもの校内暴力被害さえ防げなかった」と訴えた。
上海のインターネット掲示板には「インター校で白人学生がアジア系子どもをからかうすることが日常化した」という保護者の書き込みが相次いでいる。Cさんは「最近インター校は生徒の安全と成長よりも白人生徒の割合を管理し、『外国ブランド』のイメージを維持することだけに血眼になっている」と指摘した。
■広がる英語不要論 中国富裕層はSTEM中心の私立校に移動
最近中国上流層の間では「英語が人生の絶対兵器ではない」という認識も広がっている。過去には英語で授業を行うインター校に子供を送ることが「国際エリートコース」の出発点と見なされたが、今は中国の理工系人材育成の流れに従おうとする保護者が増えている。
Cさんは「今中国で英語より重要なのは科学と数学だ」とし、「上海ではSTEM(科学・技術・工学・数学)教育に集中する私立校に子どもを転校させようとする親が急速に増えている」と話した。実際中国の一部私立校は国内の名門大学入試に合わせたカリキュラムに転換し、「中国式名門私立学校」への変身を図っている。
純粋な外国系財団が運営するインター校がまるで恐竜のように絶滅し、中国地場のバイリンガル学校がそれに取って代わるとの見通しも示されている。高難度の英語授業と共に中国式の理数系教科を並行して教える中高一貫の私立校が上流層の子女の新たな選択肢になりそうだ。
北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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