▲全羅南道新安郡の太平塩田。/NEWSIS
韓国の国家登録文化遺産となっている国内最大の塩田が、文化遺産の登録抹消を申請し、審議手続き中であることが分かった。
全羅南道新安郡の曽島にある太平塩田は先ごろ、韓国国家遺産庁に対し、太平塩田と石造塩倉庫の2件について国家登録文化遺産の登録抹消を申請したと26日明らかにした。自然災害や火災などで文化遺産が損傷したわけではないのに所有者が登録抹消を申請するのは異例だ。米国政府が今年4月、太平塩田で強..
続き読む
▲全羅南道新安郡の太平塩田。/NEWSIS
韓国の国家登録文化遺産となっている国内最大の塩田が、文化遺産の登録抹消を申請し、審議手続き中であることが分かった。
全羅南道新安郡の曽島にある太平塩田は先ごろ、韓国国家遺産庁に対し、太平塩田と石造塩倉庫の2件について国家登録文化遺産の登録抹消を申請したと26日明らかにした。自然災害や火災などで文化遺産が損傷したわけではないのに所有者が登録抹消を申請するのは異例だ。米国政府が今年4月、太平塩田で強制労働の疑いがあるとして同塩田で生産された天日塩の輸入を禁止したことがきっかけだったという。
太平塩田側は「太平塩田は日帝強占期以降の製塩業の発展を象徴する産業遺産として登録されたが、強制労働事件によって象徴性と社会的意味が激しく毀損(きそん)された」として「これ以上は産業の発展史や地域社会の生活史を肯定的に象徴する機能を果たせず文化遺産の価値を維持するのは困難だ」と国家遺産庁に意見書を提出した。また「太平塩田の天日塩関連の製品に対して米国税関・国境取締局が輸入禁止措置を下したことは、国際社会の中でこの文化遺産が人権侵害産業の象徴と認識されていることを示している」として「この遺産が保存の公共的正当性を失ったということだ」とつづった。
太平塩田の文化遺産登録抹消については、新安郡が審議を開始した。全羅南道を経て国家遺産庁が最終的に決定する。
韓国の近現代文化遺産法によると、国家遺産庁長は国家登録文化遺産が滅失あるいは価値を喪失して保存や活用が不可能になった場合、またはその他大統領令で定める特別な事由が生じた場合には、委員会の審議を経てその登録を抹消することができる。新安郡曽島の太平塩田と石造塩倉庫は2007年、新安郡飛禽島の大同塩田とともに国家登録文化遺産に指定された。太平塩田では1953年から70年以上にわたり、海水を蒸発させて作る天日塩を生産してきた。
太平塩田は、2021年に明るみに出た強制労働事件に関連して今年5月に米国政府が塩の輸入禁止措置を下すと、米国に対し、輸入禁止の撤回を求める請願書を提出。今後は真実を証明するために第三者機関の監査を受ける予定だ。今年中に第三者機関による監査を計画していたが、予定よりも遅れて来年上半期中の監査を目標にしているという。
チョ・ホンボク記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com