▲乾津(コンジン)法師官封券帯封紛失疑惑とクーパン退職金不起訴外圧疑惑の捜査を担当することになった安権燮(アン・グォンソプ)常設特別検察官が17日、ソウル市汝矣島の事務室から出てきたところ。/写真=聯合ニュース
海兵隊員殉職事件を捜査している特別検察官(特検)チームが高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の元部長検事2人について請求した勾留状が、裁判所に棄却された。特検は、2人が昨年、公捜処に在籍していた当時、故チェ・スグン海兵隊上等兵の殉職事件を巡る「捜査外圧」疑惑についての捜査を遅らせたり妨害したりした疑いがあると主張した。しかし裁判所は「事実的、法理的争いの余地がある」とした。容疑の立証がなされていない、..
続き読む
▲乾津(コンジン)法師官封券帯封紛失疑惑とクーパン退職金不起訴外圧疑惑の捜査を担当することになった安権燮(アン・グォンソプ)常設特別検察官が17日、ソウル市汝矣島の事務室から出てきたところ。/写真=聯合ニュース
海兵隊員殉職事件を捜査している特別検察官(特検)チームが高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の元部長検事2人について請求した勾留状が、裁判所に棄却された。特検は、2人が昨年、公捜処に在籍していた当時、故チェ・スグン海兵隊上等兵の殉職事件を巡る「捜査外圧」疑惑についての捜査を遅らせたり妨害したりした疑いがあると主張した。しかし裁判所は「事実的、法理的争いの余地がある」とした。容疑の立証がなされていない、ということだ。海兵特検が捜査外圧に関して先月、国防部(省に相当)の首脳部5人について請求した勾留状も、全て棄却された。これで、海兵特検発足後に請求した勾留状10件のうち9件が棄却された。捜査とは呼べない。水害の行方不明者捜索中に発生した兵士の殉職はまことに悲しむべきことだが、こうまで拡大すべき事件ではなかった。過ぎたるはなお及ばざるがごとし、だ。
他の特検も同様だ。尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱・外患疑惑を捜査している特検は、これまで10人に対し勾留状11件を請求したが、5件が棄却された。朴性載(パク・ソンジェ)元法相に対しては内乱共謀容疑で令状を2回請求したが、2回とも棄却された。朴・元法相が戒厳宣布後に幾つも後続措置を検討したとして「共謀」容疑まで着せた。尹・前大統領の配偶者である金建希(キム・ゴンヒ)夫人の各種疑惑を捜査している特検は14人を勾留したが、そのうち半数以上は金夫人とは直接関連のない「別件」だった。
特検は、検察など捜査機関が政権の顔色を見て政権の不正をきちんと捜査できないときにやるものだ。ところが現政権が稼働させた3特検は、どれも前政権を捜査している。検察に任せればもっとうまくやるはずなのに、「特検」が与える政治的効果を狙って、特検にこだわっているのだ。その結果が、政治的見せしめ式の令状乱発として現れている。
こうした中、李在明(イ・ジェミョン)大統領は「官封券帯封紛失疑惑」と「クーパン捜査外圧疑惑」を捜査する常設特検をまたも任命した。合計4チームの特検が稼働するという前代未聞の状況だが、当の特検は韓国国民の関心から遠ざかっている。「太く短く」捜査をして裁判に力を注ぐべきなのに、来年の地方選挙まで特検政局を引きずろうと、時間稼ぎをした結果だ。
今、本当に特検が必要な事件は、検察の大庄洞民間業者事件控訴放棄問題だ。検察は控訴を決定したのに、法相と次官の話を聞いて控訴を放棄した。捜査外圧が事実であれば、クーパンの事件よりはるかに深刻な問題だ。ところが告発状を受理した警察と、捜査権がある公捜処は、政権の顔色をうかがって互いに事件をよそに押し付けようとしている。まさにこうした事件を捜査するために、特検制度があるのだ。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com