▲ソウル汝矣島の国会鉄柵に設置された「禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長が非常戒厳令解除のために乗り越えた現場」と書かれた案内。戒厳令から1年を迎え、国会は複数のイベントに少なくとも4億3100万ウォン(約4580万円)以上の予算をつけたという。/ナム・ガンホ記者
2024年12月3日の非常戒厳令から1年となるのに合わせ、国会議事堂では禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長が乗り越えた鉄柵の案内表示、戒厳令解除を象徴するオブジェなどの設置作業が各所で行われていることが26日までに分かった。特別企画ドキュメンタリーの上映、大規模学術大会、国会本館壁面に派手な映像を映し出すメディアファサード、国会議長自らガイドとなるダークツアーなど、さまざまなイベントも同時に開催さ..
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▲ソウル汝矣島の国会鉄柵に設置された「禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長が非常戒厳令解除のために乗り越えた現場」と書かれた案内。戒厳令から1年を迎え、国会は複数のイベントに少なくとも4億3100万ウォン(約4580万円)以上の予算をつけたという。/ナム・ガンホ記者
2024年12月3日の非常戒厳令から1年となるのに合わせ、国会議事堂では禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長が乗り越えた鉄柵の案内表示、戒厳令解除を象徴するオブジェなどの設置作業が各所で行われていることが26日までに分かった。特別企画ドキュメンタリーの上映、大規模学術大会、国会本館壁面に派手な映像を映し出すメディアファサード、国会議長自らガイドとなるダークツアーなど、さまざまなイベントも同時に開催される。これらのイベントや施設の設置には国会から少なくとも4億3100万ウォン(約4580万円)以上の予算が使われるという。
【写真】「韓国国会12・3ダークツアー」ポスター
禹元植議長は2024年12月3日、戒厳令解除の採決を行う本会議を招集するため国会西門の鉄柵を乗り越えて国会内に入ったが、国会はその鉄柵周辺に記念の案内板を設置する予定だという。国会議長室の関係者によると、「戒厳令を解除させるため禹元植議長が乗り越えた現場」という趣旨の説明が記載された四角形の案内表示を現在制作中で、戒厳令から1年に合わせて設置を行うため最後の準備作業が進められているという。
禹元植議長の他にも、当時共に民主党の代表だった李在明(イ・ジェミョン)大統領を含む多くの議員が戒厳令当日、国会正門などが封鎖されていたため国会の塀や鉄柵を乗り越えて国会本会議に出席した。ただし「鉄柵を乗り越えた案内表示」は禹元植議長のものだけを設置するという。禹元植議長は来月1日「乗り越えてまた乗り越える:12・3非常戒厳令の夜、国会議長の記録」という書籍も発刊する。表紙には禹元植議長が長いジャケットを着用して柵を乗り越える様子を撮影した写真が使われるという。
国会は来月3日に国会本館前で「戒厳令を解除し民主主義を守り抜いた」という文言を刻んだ記念石碑の除幕式を執り行う。国会は「戒厳軍と警察に破壊された国会の施設」などの案内や破損された当時の写真など三つの展示物を先日現場に設置した。場所は国会図書館前の入り口、水素充填(じゅうてん)所、議員会館西側の塀だ。国会は軍に破損された器物、兵士らと対峙(たいじ)した国会議事堂2階正門、1・2階の裏門、233号の外などにも近く展示物を設置する予定だ。
これら一連の計画には少なくとも4億3100万ウォン以上の国会予算がついているが、現時点で算定されていないそれ以外の施設設置費用はこれに含まれていない。本紙が入手した資料によると、国会本館外壁に光を照らし約20分の動画を映し出すメディアファサードには1億1820万ウォン(約1260万円)の予算がついている。これは文在寅(ムン・ジェイン)政権当時の青瓦台(韓国大統領府)儀典秘書官だった卓賢民(タク・ヒョンミン)氏が企画した。「民主主義はいかに守られるか」をテーマとする3部作の特集ドキュメンタリーも放映されるが、その制作と放映には9886万ウォン(約1050万円)が使われる。これについて国会事務処は「戒厳軍による民主主義の侵奪を身をていして阻止した国会関係者たちの勇気と献身を記録するドキュメンタリーを制作した」と説明した。映像には禹元植議長や共に民主党議員らのインタビューが主に記録されているという。国会は戒厳令当日から尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領弾劾までの過程などが記録された白書の発行も準備しているが、これには1億1050万ウォン(1173万円)の予算がついている。
「光の民主主義、消えない記憶」をテーマとする戒厳令当日の国会周辺の写真を集めた写真集には3157万ウォン(約335万円)が使われる。来月3-9日に国会の芝生広場で開催される写真展には6902万ウォン(約733万円)が支出される予定だ。今年の年末までに国会スタッフ、政党関係者、国会事務処職員らに支払われる戒厳令解除有功特別報奨にも数百万ウォン(数十万円)の予算がついている。
国会では12月3-5日にダークツアーが行われ、禹元植議長も3日には自らツアーのガイドを行う。ダークツアーとは戦争、災害、虐殺、大規模災害などが起こった悲惨な現場の観光だ。禹元植議長はツアーで自らが乗り越えた塀、戒厳軍のヘリコプターが着陸した国会広場、戒厳軍と対峙した国会議事堂2階玄関などを市民と共に回る。ただしこれら一連のイベントに対しては「特定の政党や人物だけが強調されている」との指摘もある。
盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者、イ・セヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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